【310psのVTECターボ】ホンダ・シビック・タイプR(FK2) 英国版中古車ガイド 堅調な4代目

公開 : 2021.07.29 08:25  更新 : 2021.07.29 15:28

FK2型と呼ばれる、5ドアハッチバックの4代目シビック・タイプR。スリルと日常性が共存し、高い信頼性と手頃な価格が魅力だと、英国編集部は評価します。

310psを発揮する2.0LのVTECターボ

text:Jack Warrick(ジャック・ウォリック)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
FK2型と呼ばれる、4代目シビック・タイプRが登場したのは2015年。当時、最も能力に長けたホットハッチの1台であることは、すぐに明らかとなった。

好き嫌いはあるかもしれないが、スポーティーで大胆なルックスをまとい、リアには大きなウイングがそびえていた。高いパワーを象徴するように。

ホンダ・シビック・タイプR(FK2/2015〜2017年/英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(FK2/2015〜2017年/英国仕様)

英国には2種類のトリムグレードが設定されていたが、共通して搭載されたのはアツアツの2.0L 4気筒VTECターボのK20型。輝かしいパフォーマンスだけでなく、惹き込まれるような個性も兼ね備えている名ユニットだ。

最高出力は、FK2型では310psを達成。0-100km/h加速を6.0秒以下でこなせる。

英国仕様では、ブルートゥース接続機能のヘッドユニットのほか、19インチのアルミホイールにLEDヘッドライト、キーレス・エントリー、クルーズコントロールなどが標準装備。現代でも、充分通じる内容だといえる。

トップグレードのGTで、2300ポンド高のプレミアム仕様なら、オートライトとオートワイパー、デュアル・エアコン、パーキングセンサーなども付いていた。ボディには赤いアクセントがあしらわれ、間接照明や上質なサウンドシステムなども装備している。

ホンダコネクトと呼ばれるインフォテインメント・システムも採用し、英国では標準のタイプRのより高い人気を誇った。FK2型のオーナーが2017年に登場したFK8型を羨む、という場面は少ないだろう。

シビックとしてタイプRも信頼性は高い

4代目シビック・タイプRには、やんちゃな+Rボタンが付いている。ひと押しするだけで、乗り心地が引き締まり、アクセルとステアリングのレスポンスが鋭くなる。メーターが赤く染まり、運転する気分も盛り上げてくれる。

英国で設定されたボディカラーは5色。最も控えめな見た目に仕上がっているのは、クリスタル・ブラックパールだろう。ブリリアント・スポーティブルーや人気のミラノレッドは、かなり目立つ。駐車場で二度見されることも多いはず。

ホンダ・シビック・タイプR(FK2/2015〜2017年/英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(FK2/2015〜2017年/英国仕様)

現在の英国の中古車市場では、タイプRのGTグレードで1万7500ポンド(269万円)から2万3000ポンド(354万円)の価格帯が中心。稀にもっと安い値段で出てくることもある。英国の場合、標準仕様のタイプRは珍しい。

記事を執筆している時は、1万5550ポンド(239万円)で走行距離12万5500kmのタイプR GTを見つけた。2005年式で5万7900km、整備記録の揃った例で2万1000ポンド(323万円)というタイプR GTもあった。

ホンダのシビックは基本的に信頼性が高いが、タイプRも同様。中古車を選ぶ際に気をつけるべきポイントは、ホイールの損傷やブレーキパッドの摩耗程度だろう。熱心にサーキット走行を重ねられてきたクルマも少なくない。

燃料ポンプの不調は、一部のオーナーが指摘する弱点のようだ。しかし英国では、多くの例がしっかりディーラーや専門ガレージで整備を受けている。

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