【なぜ】アキュラに「インテグラ」が復活する背景 どんなクルマに?

公開 : 2021.08.17 05:45  更新 : 2021.10.13 12:12

アキュラが「インテグラ」のティザー画像を公開。なぜ旧世代モデルの名「インテグラ」が復活するのか背景を考察します。

アキュラに加わる「インテグラ」

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

先日、ホンダの高級車ブランドであるアキュラが復活をアナウンスしたインテグラ。

現段階では2022年に発売されることと、「新しいコンパクトプレミアムモデル」としてアキュラのラインナップに加わること、そして1枚のティザー画像のみの公開にとどまっている。

アキュラが公開したインテグラのティーザー画像
アキュラが公開したインテグラのティーザー画像    アキュラ

そもそもアキュラブランドとして販売されたインテグラは、日本で1985年2月にクイントの後継車種として登場したクイント・インテグラがベース。

1986年にアメリカでアキュラブランドが立ち上げられたときに、レジェンドとともにこのクイント・インテグラがインテグラとしてラインナップされたものだった。

その後1989年にフルモデルチェンジを果たしたインテグラは、100ps/Lを達成したB16A型1.6LのVTECエンジンを初搭載。

レーシングカー並みのスペックに衝撃を受けた人も多かっただろう。

ただし北米仕様には当初VTECエンジンは搭載されず、1992年モデルに追加された「GS-R」グレードに1.7L化されたB17A型がようやく搭載されたのだが、モデル末期であったこともあり、わずか5000台弱しか販売されていない。

1993年に3代目となったインテグラは、個性的な丸目4灯ヘッドライトを備えて登場。

日本国内では斬新すぎるデザインは受け入れられることなく、96年のマイナーチェンジのタイミングで先代にも似た横長ライトにあらためられていたが、アキュラ・インテグラはバンパー形状などをリファインした後期型丸目4灯を投入している。

またこのタイミングで日本、北米ともに「タイプR」をリリース。

そのパフォーマンスは登場から20年以上が経過した今でも多くのユーザーを虜にしているのはご存知のとおりである。

なぜ「インテグラ」の名が復活?

2001年まで販売が続けられた3代目インテグラ。

日本ではその後4代目モデルが登場しているが、実は北米のアキュラブランドからリリースされたインテグラは3代目が最後となる。

インテグラに設定された「タイプR」
インテグラに設定された「タイプR」

その代わり、日本で4代目インテグラとして販売されていたモデルが「アキュラRSX」として販売されており、2002年には3万台以上、2003年~2005年には年間2万台以上の販売を記録する人気車種となっていた。

それであれば、「新型RSX」として登場させてもなんら不思議ではないところ、あえて旧世代の名前である「インテグラ」を利用したのだろうか?

ここからは憶測となるが、そもそもインテグラは前述したとおり、アキュラブランド立ち上げのタイミングでラインナップされていた、いわばヘリテイジモデルであるという点が1つ。

そして、3代目に設定された「タイプR」が神格化されている点も挙げられる。

日本では4代目にも設定されたタイプRであるが、アキュラRSXにはタイプRが存在せず、3代目モデルにのみ与えられたブランドとなっているのだ。

つまり、ブランド力を考えればRSXよりもインテグラの名前の方が、インパクトが大きいという判断が働いたと考えられる。

実際、公開されたティザー画像には、ヘッドライトの下に「INTEGRA」の文字が入ったバンパーを見ることができるが、これこそ3代目インテグラのフロントバンパーのオマージュといえるだろう。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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