【高性能PHEVワゴン対決】後編 やんちゃなボルボ 完成度高いBMW 美点を取り戻したプジョー

公開 : 2021.08.28 21:05

期待に応える速いプジョーの帰還

そうであっても、非常にわずかながら無感覚なところがあるボルボは、ダイナミックさでほかの2台に及ばない。運動性重視のダンパーは、ハードに走ると垂直方向の挙動をみごとに抑えてくれるが、軽いステアリングはスローでよそよそしく、アクションがダルくて曖昧だ。

このV60が走行性能もグリップも低いわけではないが、ライバルたちより走り方に深みがなく、こわばっている。攻めたときに、走らせ甲斐がほかの2台ほど感じられないのだ。

それぞれ異なるキャラクターで甲乙つけがたいが、期待される味を取り戻したプジョーに敬意を払い、今回の金メダルとしたい。
それぞれ異なるキャラクターで甲乙つけがたいが、期待される味を取り戻したプジョーに敬意を払い、今回の金メダルとしたい。    Luc Lacey

そんなわけで、ボルボには銅メダルを贈ることとするが、これはおそらく採点が厳しすぎるだろう。というのも、このV60はスタイリッシュで、乗り心地の不足を忘れれば贅沢な仕上がり。速くて実用的なファミリー向けワゴンとしては、十分に出来がいい。

5万2200ポンド(約731万円)という価格で、すばらしいダンパーとポールスターのノウハウを注ぎ込まれたことを考えれば、もっと多くを期待したかった。ところが、結局はダイナミクスの冴えに欠け、ソリッドさは目指しているレベルに達していなかった。

BMWとプジョーの金メダル争いは、甲乙つけがたい。3台中もっとも低い4万9685ポンド(約696万円)という価格や、魅力がわかりやすい3シリーズのほうが、トップにランキングするなら妥当だ。実際に走ってみると、スペック表以上に508PSEと競り合えるものがあり、プジョーの5万4000ポンド(約756万円)を上回る値付けでもおかしくない。

電動化が進む世界において、昔ながらのエンジン単体仕様とフィーリングがほとんど変わらない330eは、スマートな選択だ。とはいえ、エンジン車終焉のときとされる2030年まではまだもう少し間がある。燃費性能をシビアにみるのでなければ、価格的に有利なエンジン車のツーリングが魅力的であることに変わりはない。

508PSEはじつに魅力的なクルマだが、5万4000ポンド(約756万円)というプジョーの値付けはかなりキツいものがある。とはいえ、このPSEにはおもしろみが感じられ、とくにシャシーには抗しがたい魅力がある。完全無欠というわけではないが、個性の強いプラグインハイブリッドだ。

しかも、長く待たれた、心からほしくなる速いプジョーの復活でもある。みんな違ってみんないいのだが、今回の結論は「フランス万歳」としようではないか。

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