【新車か中古車か】VW ID.3vsジャガーIペイス いまや価格は同等に 保証付き中古車が狙い目

公開 : 2021.09.18 21:05

走りも所有欲も満足できるのはIペイス

IペイスはID.3より大柄で、2モーター4WDゆえに重量もかさむので、エネルギー効率では多少劣る。とはいえ、重要なのは、パフォーマンスもハンドリングも大きいクルマだとは思えないものがある。つい忘れがちだが、Iペイスはドライビングがじつに楽しい。乗り心地はしなやかで、ハンドリングは驚くほどバランスがよく、なめらかで軽快な走りをみせる。

パワーをかけると、低速からEVらしいレスポンスのよさを発揮し、高速道路で加速すればやはり速い。3年前より競合車種は増えたが、いまでも多くのEVが持ち合わせていない、引き込まれるようなドライビングが、Iペイスにはあるのだ。

ID.3は、4万ポンド近い価格に見合わない部分も少なくない。手に入れてより大きな満足感を得られるのは、中古車であってもIペイスのほうだ。
ID.3は、4万ポンド近い価格に見合わない部分も少なくない。手に入れてより大きな満足感を得られるのは、中古車であってもIペイスのほうだ。    Max Edleston

対して1モーター後輪駆動のID.3は、パワーはほぼ半分でウェイトは10%ほど軽い。フルパワーでも、Iペイスほどハードなパンチはない。運動性能は高く、悪癖も見つからないが、比べてしまうと走りにソウルが足りないと感じてしまうのだ。ID.3のほうが勝っているのは取り回しだ。車体も最小回転半径も小さいのが効いている。

どちらも静粛性は上々だが、エアサスペンションを備えたジャガーのほうはよりスムースできっちりコントロールの効いた乗り心地。ちなみに、標準仕様のスティールコイル装着車は、これよりグレードの低いクルマだと感じてしまう。

子どもが乗るには十分な後席とほどほどの荷室サイズを備えるID.3は、絶好のセカンドカーとなりえるだろう。しかしIペイスは、大人4人が無理なく乗れるクルマで、荷室は長めの旅行に必要な荷物を積める広さがあり、自転車やベビーカーも運べる。

ジャガーには、エクステリアのデザインにスター性が十分あり、インテリアの高級感もある。いっぽうでID.3のキャビンは、4万ポンド近いクルマとしてはチープで物足りない。エクステリアは風変わりだが、不恰好なところも見つけられる。

おそらく、われわれがどちらを選ぶか、うすうすお気づきだろう。ID.3をおすすめできる材料は十分にあるが、この価格に見合うとはいいがたい。Iペイスは近いうちに価格が下がると見込まれる。ディーラーがめぼしい物件を売りに出したら、すぐにでも商談の予約を入れたいところだ。

ディーラーの十分なバックアップもなしにEVを買ってしまおうというユーザーはいないだろうが、ジャガーのアプルーブドカーなら自信を持って購入できるはずだ。実電費で320kmも走れるなら十分実用に適うし、走らせるのも楽しい。Iペイスは、所有する価値があるクルマだ。

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