BMW X3 xDrive 20d SE

公開 : 2014.04.18 22:40  更新 : 2017.05.29 17:59

■どんなクルマ?

BMWはX3のフェイスリフトと同時に、新しいエンジンを投入した。2.0ℓのディーゼル・ターボだ。このオールアルミのユニットは、BMWの最新のエンジン・フィロソフィーである1気筒あたり500ccというルールに従ったもの。僅かに2つのパーツのみが前作より持ち越されるだけで、新しいコモンレール・ダイレクト・インジェクション・ユニットの装備によりCO2排出量は減少し、経済性は上がっているという。

英国仕様のX3は、6速マニュアルが標準で、8速オートマティックがオプションだ。今回試乗したのはオートマティック・モデルだ。また、4WDは標準となる。

x20d以外のモデルについては、後輪駆動のsDrive 18dと、6気筒を搭載した4WDモデルであるxDrive 30dとxDrive 35dがラインナップされる。

今回のフェイスリフトで変更されたのはパワーユニットだけではない。新しいルックスと、インフォテーメント・システムを中心にインテリア・エクイップメントもアップグレードされている。

■どんな感じ?

X3は、ひとことでいうのなら、シャシーの高い3シリーズ・ツーリングといった感触で、非常にリラックスでき、且つダイナミックなパフォーマンスを持つスポーツSUVである。シャシーの変更はないが、運転しやすいクルマであることは間違いない。

乗り心地は硬めだが、決して不快なものではない。また、ニューヨーク州のテスト・ルートにも存在した大きな路面の凹凸を乗り越える際にも、そのショックをキャビンにまで伝えることはなかった。

X3の魅力のひとつに取り扱いの容易なボディが上げられる。自信を持ってコーナーにアプローチできるのだ。そしてほとんどよろめきを感じないボディ・ロールをもって、高いスタビリティのままコーナリングを終えることができる。ここでも、3シリーズのようなフィーリングだ。

ステアリングは重いが、これはスポーツ・フィーリングを向上させるための味付けだ。

高速クルージングでも快適だ。風切音も少なく、落ち着いたシャシーと静かなパワートレインが、リラックスしてマイルを刻むことを可能としてくれるのだ。

パワートレインは、低速で静かになり、ディーゼルの荒々しさが確実に減っている。これは大きな進歩だ。また、ローエンドのトルクは充分すぎるほど。ただし、組み合わせらえる8速オートマティックは、高いギアを選択する傾向があり、追い越し加速時にはすこしばかりイラッとすることがあった。もちろん、マニュアル・モードにすれば、その問題も根絶されるのだが。

X3の問題点を上げるとすれば、あまり良好とは言えないリアの視界と、アウディやメルセデスに比べて機能的ではあるがクオリティの決して高くないインテリアぐらいだろう。

■「買い」か?

このX3を否定する大きな理由を探すのには苦労する。とりわけ、新しいエンジンはグッド・ニュースだ。

(マーク・ティショー)

BMW X3 xDrive 20d SE

価格 £33,425(575万円)
最高速度 210km/h
0-100km/h加速 8.1秒
燃費 20.0km/ℓ
CO2排出量 131g/km
乾燥重量 1820kg
エンジン 直列4気筒1995ccターボ・ディーゼル
最高出力 190ps/4000rpm
最大トルク 40.8kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス 8速オートマティック

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