【RS3と同じドリフト機能】フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントへ試乗 前編

公開 : 2021.10.15 08:25  更新 : 2022.08.08 07:23

最新のゴルフRに、ステーションワゴンが登場。不足ないパフォーマンスと広大な荷室、繊細なハンドリングを両立させたと、英国編集部は評価します。

動力性能と実用性を高次元で両立

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
8代目フォルクスワーゲン・ゴルフの「R」へ英国編集部が試乗してから、1年近くが経つ。遂に最新のエステート(ヴァリアント)にも、Rが追加となった。先代以上に速く、角の取れた高速ワゴンとするべく、多くのアップデートを受けながら。

筆者は以前から、ホットなフォルクスワーゲンのステーションワゴンが好きだ。伝統的に動力性能と実用性を高次元で両立させ、走りにこだわりのあるドライバーを楽しませる実力を備えている。家族と荷物を載せられる、速いワゴンとは一線を画す。

フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート・パフォーマンスパッケージ(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート・パフォーマンスパッケージ(欧州仕様)

最新のゴルフR ヴァリアントも、先代と同様、標準のゴルフ・エステート(ヴァリアント)がベース。分別のある範囲でスタイリングに手が加えられ、ゴルフのフラッグシップとしての差別化が図られている。デザインに過剰さはない。

フロントバンパーはエアインテークの面積が大きくなり、トリム類はグロスブラックで統一。顔立ちは凛々しい。標準装備となるLEDヘッドライトには、フロントグリルとつながるように伸びるデイタイムライトが光る。

ミラーカバーはマットブラック仕上げとなり、サイドスカートも大型化された。リアバンパーと、その下から覗く4本出しの太いクロームメッキ・マフラーカッターも専用品。マット仕上げのアルミが用いられたルーフレールが実用性を担保する。

7代目より全長は71mm伸び4633mm

ゴルフRの専用装備は、車内の雰囲気も引き締めている。マルチファンクション・ステアリングホイールには、ドライブモードを選択できるボタンが追加。フロントシートはサポート性に優れるスポーツタイプが据えられた。

ペダルにはアルミカバーが付き、サイドシルやダッシュボードは専用トリムで飾られる。インフォテインメント用モニターやメーター用モニターにも、Rをテーマにした個性的なグラフィックが採用されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート・パフォーマンスパッケージ(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート・パフォーマンスパッケージ(欧州仕様)

8代目ゴルフのインテリアは、全体的に光沢感のあるプラスティックが多い印象。しかし、ソリッドな組み立て品質は変わらない。

ゴルフR ヴァリアントの全長は4633mmで、7代目より全長は71mmも伸びている。この大部分は、先代から66mm伸びて2686mmとなったホイールベースが占めている。

そのおかげで、ハッチバックの8代目ゴルフと比較しても、リアシート側の空間には余裕がある。リアのオーバーハングも伸ばされ、リアシートを起こした状態で611Lの荷室空間も得ている。リアシートを畳めば、1642Lまで拡大も可能だ。

ちなみにハッチバックのゴルフRの荷室は、リアシートを起こした状態で268Lとなっている。

先代までのゴルフR ヴァリアントに展開されていた哲学を受け継ぐように、パワートレインはおなじみの構成。最新版が搭載するエンジンも、定番といえる2.0Lの4気筒ガソリンターボだ。EA888型としては、第5世代に当たる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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