【2億円超えの落札も】マクラーレンMP4-17D、ポルシェ959登場 RMサザビーズ・サンモリッツ・オークション

公開 : 2021.10.09 19:25  更新 : 2021.10.11 10:51

マクラーレンのF1マシン、ポルシェ959が出品。RMサザビーズにとってスイスで初の競売です。どのような評価を受けたのでしょう?

初開催のスイスに、コレクターズカーが24台

執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
撮影:RM Sotheby’s

RMサザビーズが、スイスで初となるオークションを開催した。

サンモリッツのケンピンスキー・ホテルを舞台に行われ、スイス各地や隣国からビッダーが集まり会場は満員になるほどだった。

(上)1988年ポルシェ959コンフォート(中)1958年BMW 507ロードスター・シリーズII(下)2002年マクラーレンMP4-17D。いずれも2億円超えを記録。最高落札額は、BMW 507だった。
(上)1988年ポルシェ959コンフォート(中)1958年BMW 507ロードスター・シリーズII(下)2002年マクラーレンMP4-17D。いずれも2億円超えを記録。最高落札額は、BMW 507だった。    RM Sotheby’s、Remi Dargegen、Kevin Van Campenhout

このオークションはベルニナ・グランツーリズモとサンモリッツ・オートモビル・ウィークにリンクして開催されたもので、RMサザビーズにとってスイスでの初セールでもある。

今回は地元スイスにあった新旧24台のコレクターズカーが用意された。メルセデス・ベンツ300SL、BMW 507に加え、73カレラを筆頭とする新旧の特別なポルシェ911が出品。

このほかフィアット8Vベルリネッタ、サリーンS7ツインターボ、レクサスLFAと幅広く用意され、オークション初登場となるダラーラ・ストラダーレは注目を集めていた。

極みとえる出品車としては、2002~2003年シーズンのF1グランプリを闘ったマクラーレンMP4-17A/D。2003年のオーストラリアGPでデビッド・クルサードが駆り優勝したヒストリーを持ち、F1コレクターには見逃せない1台だ。

2億円超えが4台 最高落札のモデルは?

初開催となったサンモリッツ・オークションは、終えてみれば24台中18台、出品された75%が落札されるというまずまずの滑り出しとなった。

事前に発表された予想落札価格で1億円超えの出品車が10台あり、そのうち8台が落札されたことからも、注目度の高さがうかがい知れる。

クルサードが駆ったF1マシン、2002年マクラーレンMP4-17D(2億3291万円)
クルサードが駆ったF1マシン、2002年マクラーレンMP4-17D(2億3291万円)    Kevin Van Campenhout/RM Sotheby’s

ここで最高落札額を記録したのは1958年BMW 507ロードスター・シリーズIIの2億5282万円。

これに、2002年マクラーレンMP4-17D、1988年ポルシェ959コンフォートが共に2億3291万円で続いた。

また2012年アストン マーティンOne-77が、2億304万円の値をつける。

新車でスイスにデリバリーされアロイボディを備える1955年オースチンヒーレー100Sは、レストア済ということもあり8290万円まで値を上げる。

メルセデス・ベンツ300SLはガルウイングが1億6321万円、ロードスター1億3334万円と最近としては高額で落札され、逆にレクサスLFAは6372万円にとどまった。

ダラーラ・ストラダーレ落札ならず

オークション初登場となったダラーラ・ストラダーレは、2360~2950万円という予想落札価格が発表されていたが、コレクターの関心がイマイチだったようで流れてしまった。

また新しいポルシェ911とサリーンの人気はここでは低調で、フェラーリSAアペルタは最低落札額の設定が高かったようで入札が及ばず流れている。

2020年ピニンファリーナ・レジェンダ・クラシック・シミュレーター(2266万円)
2020年ピニンファリーナ・レジェンダ・クラシック・シミュレーター(2266万円)    RM Sotheby’s

今回の出品で唯一クルマ以外の物件だったのが、ピニンファリーナが製作したクラシック・シミュレーター。

ヒストリックカーの挙動とコントロールをトレーニングでき、雰囲気のあるデザインが認められて2266万円で落札されている。

結果を見ると落札額は最近の相場より全体的に高めで、スイスでコレクターズカー・オークションの需要が確認できた場といえる。今後の展開に注目したい。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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