エリーゼの派生モデル〜潜水艇から最新の限定車まで ヘネシーにラドフォード ほか

公開 : 2021.11.07 17:45

ヘネシー・ヴェノムGT(2012年)

エリーゼから派生したエキシージのシャシーをベースとし、1261psを発揮するツインターボの7.0L V8エンジンを搭載する、テキサス生まれのモンスター。ご存知の読者も多いだろう。

2014年、フロリダ州ケープカナベラル飛行場の滑走路をヴェノムGTは全開で走行。270.49mph、435.3km/hという最高速度を叩き出している。

ヘネシー・ヴェノムGT(2012年)
ヘネシー・ヴェノムGT(2012年)

しかし生産台数は29台に留まり、ギネスブックが記録認定に要求する30台には届いていない。わずか1台の差で、世界最高速の量産モデルという座は得られなかった。

リンスピード・スキューバ(2008年)

エリーゼの派生モデルのなかでも、1番突拍子のないクルマがこちら。映画007、私を愛したスパイに影響を受け考案されたクルマで、2008年のジュネーブ・モーターショーで発表された。

一見すると、エリーゼと大きく違わないスポーツカーだ。しかし小さな潜水艇として、水深10mまで水の中も進むことができた。

リンスピード・スキューバ(2008年)
リンスピード・スキューバ(2008年)

動力源は3基の電気モーターで、1基は地上用としてタイヤを、2基は水中用として2枚のスクリューを動かす。アスファルトの上では、最高速度120km/hで走行が可能。さらに水面に浮かぶボートとして6km/h、水面下では3km/hの速さで移動が可能だった。

ピニンファリーナ・エンジョイ(2003年)

エリーゼのシャシーに、137psのKシリーズエンジンを搭載したロードスターとして、2003年に発表。滑らかなボディをまとうが、フェンダーは取り外しが可能で、オープンホイールのサーキットマシンに変更することも可能だった。

サスペンションは、レーシングカー風のプッシュロッド式を採用している。しかし翌年、一般的なウイッシュボーン仕様に変更され、エンジンもトヨタ社製へスイッチ。台数限定での生産が模索された。

ピニンファリーナ・エンジョイ(2003年)
ピニンファリーナ・エンジョイ(2003年)

しかし提示された価格は、当時で6万ポンドから8万ポンド。市販には至らず、ワンオフで終わってしまった。

ダッジ・サーキットEV(2009年)

テスラ・ロードスターとは別の純EV版。エリーゼではなく、延長されたヨーロッパSのシャシーを用いている。手が加えられているが、ボディにもヨーロッパSの雰囲気が残っている。

発表は2009年のデトロイト・モーターショー。268psの駆動用モーターとリチウムイオン・バッテリーを搭載し、最高速度は193km/h、航続距離は241kmから321kmと、悪くないスペックを誇った。

ダッジ・サーキットEV(2009年)
ダッジ・サーキットEV(2009年)

実際に走行可能なプロトタイプの完成には至るが、プロジェクトはほどなくして中止。量産はされていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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