【ダイハツ「新ロッキー」】秘策はシリーズハイブリッド 日産「eパワー」に当ててきたワケ

公開 : 2021.10.21 05:45

ダイハツが「新ロッキー」のティザーサイトを公開。目玉はシリーズハイブリッド。日産「eパワー」と勝負する背景を解説します。

このタイミングで「ロッキー」?

ダイハツは2021年10月1日、2021年11月にロッキーハイブリッドモデル追加を予告するティザーサイトを立ち上げた。

一般的にディザーといえば、エクステリアデザインのチラ見せや、走行風景を俯瞰するような抽象的なものが多い。

ダイハツの公開したティザーサイト
ダイハツの公開したティザーサイト    ダイハツ

だが、ダイハツが広報資料で新ロッキーと称するマイナーチェンジモデルのキモは、パワートレインの電動化であるため、ティザーサイトには技術的な観点が満載だ。

そのうえで、ティザーサイトの主な目的は試乗予約キャンペーンの紹介である。

期間はティザーサイト公開日である2021年10月1日をスタートとして11月30日までの2か月間となる。

この期間中に、新ロッキーを市場予約しダイハツ販売店に来店して試乗した人にオリジナルグッズをプレゼントするという。

これはハイブリッド車のみならず、ガソリン車も対象となる。

それにしても、単なるハイブリッド車の追加という程度なら、新ロッキーとまで名乗るとも思えず、またティザーサイトまで立ち上げるほどでもないようにも思えるのだが……。

実は「新ロッキー」、ダイハツの秘策を搭載していることが明らかになったのだ。

秘策は「シリーズハイブリッド」

新ロッキーのティザーサイトを見て驚くのは、「まるでEV(電気自動車)みたいなイメージ画像」が描かれていることだ。

そこに「ROCKY-e:smart」という表記がある。

ダイハツ「新ロッキー」
ダイハツ「新ロッキー」    ダイハツ

さらに「50年以上の月日を超えて、電気の時代へ走り出す」として、1967年の「BEV(バッテリー電気自動車)乗用車」を基点とした、ダイハツの電動車開発の歴史が年表として振り返ることができるというウェブデザインを施した。

さらにティザーサイトを読み進めると、「100%モーターの力で走行する、eスマートハイブリッド」と記載されている。

つまり、新ロッキーの目玉であるハイブリッドとは、エンジンを発電機として使う、いわゆるシリーズハイブリッドなのだ。

シリーズハイブリッドといえば、日産のeパワーを連想する人が少なくないのではないだろうか。

実際、ティザーサイトが公開されてから、自動車関連ウェブサイトやSNSなどでは、「ダイハツ版(またはトヨタ版)eパワー」といった表現が見受けられるようになっている。

ティザーサイトによれば、新ロッキーのeスマートハイブリッドで発電機として使うガソリンエンジンは直列3気筒ロングストロークの排気量1.2Lというのことで、エンジン(発電機)スペックとしては日産eパワーとの共通性が多い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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