【スマイルvsキャンバスの戦い開幕】永遠のライバル ワゴンRvsムーヴの歴史

公開 : 2021.10.22 05:45

ムーブ・キャンバスに対抗してスズキはワゴンRスマイルを発売。切磋琢磨してきたライバルの歴史を振り返ります。

永遠のライバル スライドドア付でも

先日、スズキが発表した新型車のワゴンRスマイル。

このワゴンRスマイルは名前のとおり、ワゴンRの派生車としてリリースされ、同社のスペーシアほどではない全高(ただしワゴンRよりは高い)に両側スライドドアを備えたモデルだ。

スズキがリリースしたスライドドア付「ワゴンRスマイル」
スズキがリリースしたスライドドア付「ワゴンRスマイル」

これはいうまでもなく、先行して登場しているダイハツ・ムーヴ・キャンバスの対抗馬だ。

ムーヴ・キャンバスも現行型の6代目ムーヴをベースとし、同社のタントよりも低くムーヴよりも高い全高のボディに両側スライドドアを備えたモデルとなっている。

ただこの2車種、ムーヴ・キャンバスは2016年デビューなのに対し、ワゴンRスマイルは2021年デビューとおよそ5年ものズレがある。

これは当初ムーヴ・キャンバスがそこまでの大ヒット車種とはなっていなかったということもあったのだが、ここ数年でスライドドアを持つ車両への認識が変わってきたようで、「スライドドア=ファミリーカー」ではなく、「スライドドア=便利なクルマ」というものになり、それに伴ってムーヴ・キャンバスもジワジワと人気を上げてきた。

そこでスズキもシェアを拡大するために需要の高まってきている「便利なスライドドア付車両」としてワゴンRスマイルをリリースしたというワケなのである。

よくよく考えてみればこの2車種は登場時からライバル関係にあり、切磋琢磨をし続けてきたモデル。

そこで今回はこの2車種のライバル車としての歴史を振り返ってみたい。

「追いつけ追い越せ」の歴史

1993年9月に登場した初代ワゴンRは、高く採った全高とアップライトに座らせる着座位置のあわせ技で、限られたボディサイズの中でも大人4人がしっかり座ることができ、ファーストカーとしても使用に耐えうる軽自動車として瞬く間に大ヒット車種となった。

その人気に追従したのが1995年8月に登場したムーヴだ。

ダイハツ・ムーヴ(1995年発売の初代)
ダイハツ・ムーヴ(1995年発売の初代)    ダイハツ

プレーンなワゴンRに対し、イタリアのデザイン会社I.DE.Aとダイハツの合作となるエモーショナルなデザインを持っていただけでなく、狭い場所でも開閉できる横開きのリアゲートや、1+2ドアだったワゴンRに対し、両側とも2枚のドアとなる4ドア+リアゲートとするなど差別化を図っていた。

当初、右1枚左2枚の1+2ドアしか存在しなかったワゴンRであるが、ムーヴの人気を見るや1996年4月に特別仕様車として5ドアモデルをリリース。

こちらが人気となると同年8月のマイナーチェンジ時に早速カタログモデルとなったのだった。

そして1997年5月にはムーヴにエアロパーツを装着したドレスアップモデルの「ムーヴ・カスタム」が登場。

これは「裏ムーヴ」とも呼ばれ、ローダウンサスペンションを装着したエアロダウンカスタムは大ヒットグレードとなった。

対するワゴンRも翌1998年にエアロパーツをまとったスポーティ仕様の「エアロRR」をリリース。こちらも専用のローダウンサスペンションを装着するなど、明らかにムーヴ・カスタムを意識した仕様となっていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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