フォルクスワーゲン・ゴルフSV 2.0TDI SE

公開 : 2014.05.14 22:40  更新 : 2017.05.29 18:58

■どんなクルマ?

英国では8年間で控えめな42,248台という売上にとどまったバツの悪いルックスのゴルフ・プラスだが、その後継モデルであるこのモデル、ゴルフSV(またの名はスーパーヴァン)はヨーロッパ以外でも広く認知を得ることになるだろう。

しかし、先代は販売台数こそ伸びなかったものの、ハッチバック・モデルの窮屈なプラットフォームとホイールベースを延長して製作されたモデルであったため、実用性という面では非常に優れていたことはフォローしておかねばなるまい。

ゴルフVIIから用いられたMQBプラットフォームの恩恵を受けて、ミニバン・クラスにしてはシャープなハンドリングが可能だ。また実用性を始めとする好意的な印象は、特にフォードCマックスなどのライバルにも対抗しうる内容となった。

価格は、ハッチバックのゴルフより£1245(18万円)、さらにはワゴンよりは£550(5万円)高く、サイズ的にはホイールベースが2685mm、全高が1578mmと拡大されている。全長はハッチバックより83mm長く、ワゴンより224mm短い4338mmとなる。したがって、パッセンジャーにとっては兄弟車と比較して余裕がある室内空間が与えられ、全長の変化はシートの移動により柔軟性を持たせることを可能にした。

ここまでは良いことばかりを書いたが、やはりボンネットの延長や前から5枚めのサイドガラスを無理やり付け加えたところなど、美的なバランスを欠く結果を招いていることは無視しがたい。視界良好なシート・ポジションは悪くはないが、感覚としてはバスの運転手になった気分だ。

■どんな感じ?

整然と並べられたスイッチや高級感のある素材、機能性等はフォルクスワーゲンの他モデルと同様、馴染み深いインテリアとなっている。ただしそれぞれの配置に関しては運転手中心に設計されているとは言い難い。

ドアに備えられた小物入れなどのサイズは適切。ただし体感的な室内容量は少し物足りず、たとえばシート下の引き出しが小さく、またシート背面をテーブルとして使用する際には少し操作しづらい。

現代の基準からすると、シートの配置に目新しさを感じられる所はない。3分割、あるいは60:40に分割されるシートや、そのスライド、折りたたみに用いられた作法は、すでにゴルフ・プラスで採用されていたものと何ら変わりない。たとえば、Cマックスであれば真ん中のシートを完全に前に倒し後方をフラットにするなどの仕掛けがある。

反面、頭上や膝周りのクリアランスは特に優れる。また最後列のシートを前に移動させれば90ℓ荷室容量が拡大され500ℓになり、完全にフラットにした状態では1520ℓにも及ぶというのだから大したものだ。

1.6ℓTDIエンジンと、1.2ℓと1.4ℓのTSI ガソリン・エンジンのバリエーションにこの度追加された2ℓのTDIエンジンは、適度な重量感のある6速MTと組み合わされることにより非常に活気のある走りを楽しませてくれる。ハッチバックのゴルフに比べて120kgものハンディキャップがあるにも関わらず、0-100km/h加速のタイムは0.6秒遅くなるに留まっている。4000rpm以下ではほんの少しの物足りなさを感じるが、ディーゼル・エンジン特有の低音はうまく抑えられている。コントロールにおけるハンドリングや安定感、乗り心地やロールはハッチバックのそれと全く引けをとらない完成度である。

■「買い」か?

Cマックスのほうが40万円高価であるものの、より速く、より柔軟性のある積載能力を持ち、よりラグジュアリーであるのは紛れもない事実だ。そこを差し置いてでも、あなた自身を納得させられるのであれば「買い」である。

ただし、より優れた経済性や安全性能、またゴルフVIIでさらに磨き上げられたパッケージングを無視することもまた難しい。

(リチャード・ウェーバー)

フォルクスワーゲン・ゴルフSV 2.0TDI SE

価格 £23,950(410万円)
最高速度 213km/h
0-100km/h加速 9.2秒
燃費 23.3km/ℓ
CO2排出量 112g/km
乾燥重量 1474kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力 150ps/3500-4000rpm
最大トルク 34.7kg-m/1750-3000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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