アルピーヌA110 リネージGTへ試乗 標準シャシーに292psの限定 ベストA110

公開 : 2021.11.26 08:25

A110のシャシーにA110 Sのエンジンを組み合わせた、限定仕様のリネージGTが登場。英国編集部が評価しました。

ノーマルのシャシーにSのエンジン

執筆:Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
今回試乗したのは、これまでの特別仕様のアルピーヌA110とは少々違う。専用塗装とホイールで飾られた特別仕様は、何度も登場している。でも、今年のリネージGTは試乗するべき内容を備えている。

AUTOCARを読まれている方なら、2020年にも252psのエンジンを載せた、リネージGTがあったことをご記憶かもしれない。だが2021年度版は292psのエンジンを、標準のシャシーに組合わせている点で異なる。

アルピーヌA110 リネージGT(英国仕様)
アルピーヌA110 リネージGT(英国仕様)

A110 Sに与えられる、追加のパワーは大歓迎なはず。でもノーマルのA110が備える、ユニークでフレッシュさすら感じるシャシーは捨てがたい。このリネージGTなら、その両方が手に入るのだ。

しかも、通常のリネージならオプションとなる魅力的なアイテムも、標準で搭載されている。つまり2021年のリネージGTは、これまでのベスト・アルピーヌA110だといっていい。

リネージGTに与えられるのは、320mmのブレンボ社製ブレーキディスクとスポーツ・エグゾースト。またフォーカル社製のステレオに、パーキングセンサー、リアカメラという快適装備も付いてくる。GTの名のとおり、ラグジュアリーな内容だ。

ボディとインテリアのカラーコーディネートは、2種類が用意されている。マットグレーのボディにブラックレザーの内装か、ダークブルーにブラウンレザーという組み合わせから選べる。

シートは、ピュアやA110 Sの軽量バケットシートではなく、6ウェイの電動シート。ダイナミカと呼ばれる風合いの良いマイクロファイバー生地が天井の内張りなどに用いられ、銅が編み込まれたカーボンファイバーのトリムが、内装にアクセントを付けている。

素晴らしいシャシーを味わい尽くすツール

実際に走らせてみても、2021年版のリネージGTはアルピーヌA110のベスト。登場から4年が経過するが、ドライビング体験の充足度は極めて高い。

A110に搭載される1.8Lの4気筒ターボエンジンは、素晴らしいシャシーを味わい尽くすためのツール。リネージGTでは、一段高いスピードを獲得した。ドライバーを楽しませるように咆哮を放ち、唸りを響かせる。

アルピーヌA110 リネージGT(英国仕様)
アルピーヌA110 リネージGT(英国仕様)

最高出力が292psに増強されているが、0-100km/h加速時間は0.1秒しか違わない。その理由は、32.5kg-mの最大トルクが変わらないためだ。パワーデリバリーには若干ターボラグも感取される。個性を一変させるほどの違いまでは、得ていない。

トランスミッションは7速デュアルクラッチAT。素早く変速してくれるが、ベストとまではいえないのも従来どおりだ。

A110の特色といえる、生々しい動的能力にも変わりはない。この小さなミドシップ・スポーツカーの最大の魅力は、ナチュラルな機敏さと、フロントで切り込んでいくような身のこなし。

前後のタイヤを活かし、意欲的に姿勢制御できる。高性能な四輪駆動のホットハッチのフィーリングにも通じている。ステアリングは期待ほど情報量が濃くはない。サスペンションの動きを通じて、シャシー全体でドライバーへ状態を伝えてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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