アウディA3 スポーツバックへ試乗 デザインとパフォーマンス 実力派の新世代 前編

公開 : 2021.12.18 08:25

現代のアウディらしいデザインをまとい、動的能力を向上させモデルチェンジしたA3。英国編集部が評価しました。

スタイリングを磨き込みスポーティに

1999年に販売が始まったアウディA3 スポーツバック。フォルクスワーゲン・ゴルフより上級なハッチバックとして、その姿勢を初代から貫いてきた。

モデルチェンジで4世代目へと進化を遂げたが、3ドアはラインナップから落ちてしまった。しかし、デザイナーは5ドアのスポーツバックのスタイリングを磨き込み、スポーティなイメージを維持させている。

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)
アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)

兄弟関係にあるフォルクスワーゲン・グループのハッチバックと同様に、基礎骨格をなすのは多様な展開が可能なMQBプラットフォーム。マイルド・ハイブリッドからプラグイン・ハイブリッド(PHEV)まで、幅広いパワートレインにも対応する。

トリムグレードは、欧州ではベースのスポーツに始まり、テクニック、Sラインという3種類が用意されている。それぞれ僅かだが見た目にも変化が与えられ、グレード間での差別化が図られた。

テクニックとSラインの場合、ヘッドライトクラスターに15個のLEDを内蔵。グレードによって点灯パターンが異なり、光でも違いを表現する。

Sラインでは、フロントバンパー両端に大きめに開けられたインテークにハニカムメッシュが与えられ、見た目の迫力をプラス。往年のスポーツクワトロを彷彿とさせる3本のスリットも、ボンネットとバンパーの隙間に切られる。

なお、新しいA3の登場を記念するように、上級グレードのフォアシュプルングとエディション1も英国では提供される。

イメージ一新のインテリアデザイン

シャープさを増したルックスのアウディA3だが、ドアを開くと一層イメージが大きく変化していることに、既存ユーザーは驚くかもしれない。先代のミニマリストな雰囲気のインテリアとは、一線を画している。

内装に用いられている素材はバリエーションが豊かになり、上下に分割されたダッシュボードの造形は伸びやかで大胆だ。デザインは、明らかにドライバー・フォーカス度を高めている。

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)
アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)

メーターパネルは、10.25インチのモニター式が標準装備。オプションで、S3に装備される12.3インチへ大きくすることも可能。さらに最新のMIB3システムで可動する、インフォテインメント用の10.1インチモニターが、ダッシュボード中央に据えられる。

システムはアップル・カープレイとアンドロイド・オートを、有線で利用可能。センターコンソールにはUSBのAポートとCポートの両方が用意され、スマートフォンのワイヤレス充電機能も内蔵される。多くの人が便利に感じられるはず。

アウディの上位モデルのように、ダッシュボード中央のタッチモニターは2段重ねではない。エアコンの操作などには、実際に押せるハードボタンが残されており、場所を覚えやすく操作しやすい。

タッチモニターやセンサー式より、運転中でも長時間視線をそらさずに触れることができる。筆者としては、この組み合わせの方が好ましいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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