ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブル 英国のリビエラを巡る休日 前編

公開 : 2021.12.31 13:45

英国のリビエラと称される、南西部のペイントン。ラグジュアリーなコンチGT コンバーチブルで英国編集部が訪れました。

英国のリビエラ:ペイントン

グレートブリテン島の南西、イギリス海峡に面したペイントンの街には、小さな遊園地がある。そこに面した砂浜で、祖母と過ごした記憶は今も忘れない。

近くのトーキーという小さな港町に、年金生活の祖母が住んでいた。年に数回、休みになると筆者の母はわたしを実家に預けたのだ。

ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブルV8(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブルV8(英国仕様)

遊園地は不良の集まる場所だといわれ、祖母と一緒に行くことはなかった。でも筆者は、こっそり遊びに行っていた。そこで初めて、アーケードゲームのフォルツァ・モータースポーツをプレイした。

クルマのカタチをした筐体に、ステアリングホイールが付いている。当時は2ペンスを払うと、見たこともないサーキットでクルマを運転するような体験ができた。正直、内容は期待はずれだったけれど。

最近ペイントンを訪ねてから、25年以上が過ぎている。どういうわけか、再び筆者はその海岸線にいる。

今回、ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブルで目指す場所として、英国にあるリビエラを探した。道が複雑な南フランスではなく。ご時世的に、冬の休暇に海外旅行というのは少しはばかれる。たどり着いたのがこの場所というわけだ。

ユネスコの世界ジオパークには、英国のリビエラとしてちゃんと登録されている。トスカーナ地方やプロバンス地方のジオパークと並んで。カンヌやサントロペを夢見たなら、英国のトーキーやペイントンの街を思い出して欲しい。

柔らかなパウダーブルーのコンバーチブル

ペイントンの砂浜には太陽の光が降り注ぎ、ヤシの木が空へ伸びている。そして、1台のまっさらなコンバーチブルが道を進む。筆者を乗せて。

イタリアのカンヌには、怪しい男性が未来を占ってくれる、ガラスで覆われた小屋のある遊園地はないはず。モンテカルロにも、派手な電飾の付いた騒がしいスロットマシンが、壁一面に並んだ遊園地はないだろう。

ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブルV8(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブルV8(英国仕様)

筆者が腰を降ろしているのは、柔らかな色調のパウダーブルーに塗られたコンチネンタルGT コンバーチブル。豪奢なインテリア越しに、英国のリビエラを楽しんでいる。後ろから流れ込む優しい風のなかで、ジャケットとパナマハットに身を包みながら。

遠くから見れば、大富豪らしい風格を漂わせていたかもしれない。でも、その内側はいつものジーンズとシャツ。試乗テストでは定番の、普段着のままだ。祖母はこの世を去って久しく、知り合いもいないから、冷やかしで声をかけてくる人もいない。

しばらくコンチネンタルGTで走っていると、オープンカーだということを強くは意識しなくなる。マリナー部門によるオプションが載り、総額22万2725ポンド(約3385万円)のベントレーだけれど。

英国で富を象徴するような高級車を運転していると、あまり好ましくない反応が返ってくる場所もある。でも、この街なら大丈夫そうだ。

記事に関わった人々

  • アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブル 英国のリビエラを巡る休日の前後関係

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