トヨタ新型ノア/ヴォクシー発売 5ナンバーなしでも、「からくり」で勝負 価格/サイズ/内装を解説

公開 : 2022.01.13 13:45  更新 : 2022.01.20 15:17

4代目のトヨタ・ヴォクシー/ノアが発表。新型ステップワゴン、セレナを相手に、どんな進化を遂げたのか。実車写真とともに解説します。

2022年はミニバンの年?

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

1月13日。トヨタがミドルクラス・ミニバンの「ノア」ならびに「ヴォクシー」を、フルモデルチェンジして販売開始した。

ノアの前身は、タウンエース/ライトエースのワゴン版として1996年に発表されたタウンエースノア/ライトエースノアだ。

新型ノアS-Z(ホワイトパールクリスタルシャイン:7人乗り/ハイブリッド)
新型ノアS-Z(ホワイトパールクリスタルシャイン:7人乗り/ハイブリッド)    前田惠介

2001年に初代のノアが発表され、同時に兄弟車のヴォクシーも登場した。

今回のフルモデルチェンジで、ノア/ヴォクシーとしては4代目にあたる。

なお3代目には、もう1車種の兄弟車であるエスクァイアも登場したが、販売チャンネル廃止などの関係で2021年に生産が終了。今回のフルモデルチェンジではラインナップされていない。

さて、自動車の市場では世界的なSUVブームが続いているが、日本においてはミニバンも堅調だ。

2021年の新車販売台数(軽と海外ブランド車を除く)ランキングでは、4位にアルファード、9位にヴォクシー、10位にホンダフリード、11位に日産セレナ、18位にノア、19位にホンダ・ステップワゴンと、トップ20の中にミニバンが6車種もランクインしている。

おりしも、去る1月7日にはライバルであるステップワゴンが、今春発売を予定している新型のデザインを公開。もう1台のライバル、日産セレナも年内のフルモデルチェンジが噂されている。

ライバルたちに先がけて登場したノア/ヴォクシーは、従来まで存在していた5ナンバー車を廃止、一方で「からくり」による商品力向上という手法で勝負に出た。

5ナンバー車はなし サイズは?

ノア/ヴォクシーのボディサイズは、全長4695×全幅1730×全高1895(4WDおよびE-Fourは1925)mm。ホイールベースは2850mm。

サイズ的には、全長は現行型とほぼ同じで、全高が少し高められている。ホイールベースも同じ。

新型ヴォクシーS-Z(マッシブグレー:7人乗り/ガソリン)
新型ヴォクシーS-Z(マッシブグレー:7人乗り/ガソリン)    前田惠介

なお、現行型では一部グレードが全幅や全長の関係で3ナンバーだったが、新型では後述するTNGAプラットフォームの採用により全幅が広がり、全グレードで3ナンバーとなる。

ノア/ヴォクシーは先々代からエアロモデルが3ナンバーだったが、販売比率では約8割を占めていたという。5ナンバーの標準型を求める残りのユーザーも、5ナンバーだから選んでいるというわけではないのが実情だった。

新型ノアのデザイン

スタイリングは、歴代のモデルで追求してきた、室内空間の最大化と力強いハコ(箱)らしさを継承。「堂々として躍動的な力強いハコ」のスタイルを追求した。

ノアは、シンプルながらも細部まで造り込み、上質で長く持続するスタイルに。フロントは一括りの明快なアイコンと、外板色であしらった面を強調したグリル、切れのあるランプの意匠で、堂々かつモダンなスタイルとした。

エアロモデルには、面を強調したメッキグリルによって華やかかつ強い押し出し感を演出したフロントまわりと、ワイド&ロースタンスのリアまわりとで、王道のエアロスタイルらしいアグレッシブさを表現している。

新型ヴォクシーのデザイン

ヴォクシーは、カローラ店/ネッツ店といった販売チャネルの統合により、“併売される兄弟車”という立ち位置になったことで思い切ったデザインに。先鋭かつ独創的なスタイルを追求した。

フロントまわりは、ラウンディッシュな薄型のアッパー部と分厚くスクエアなロア部を組み合わせることで、コントラストの強い立体構造と個性的なグラフィックを実現。さらに、妖しく光る特徴的な前後のランプによって、夜でもその存在感を強調する。

ボディカラーは、新色として上質な黒のグリッターブラックガラスフレークと、重厚感あるマッシブグレーを設定。ノアは全5色(エアロモデルは全6色)、ヴォクシーは全6色となっている。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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