ラディカルRS10へ試乗 2.3L 4気筒ターボで431ps お買い得なサーキットマシン

公開 : 2022.01.25 08:25

公道用モデルと最も異るブレーキ特性

フロントタイヤのグリップ力も同等に高い。ステアリングはダイレクトでバランスも良く、明瞭。高速域ではダウンフォースが働き、ステアリングホイールは明らかに重くなる。SR10が本領を発揮すれば、コーナリング時の横Gは、最大2Gに達するそうだ。

ステアリングコラムの取り付けが見直され、力は込めやすくなっているというが、オプションのパワーステアリングが欲しいところ。試乗を終える頃には、ジムでトレーニングしたような腕の疲労感だった。

ラディカルRS10
ラディカルRS10

ブレーキング時の特性は、公道用モデルと最も異る。ディスクはスチール製で、カーボンセラミックのように突発的な制動力は得られない。だがペダルへ力を込めるほど、強力さが高まっていく。

ABSは備わらず、踏みすぎるとスリックタイヤは簡単にロックしてしまう。滑り始める挙動は突発的で、ブレーキングの限界を見極めることは、当初は難しいと思う。

筆者が試乗したデモカーにはドライバー・プロテクションが備わっていなかったが、助手席に座った別のSR10には装備されていた。フレームがロールケージのようにコクピットを包み、乗り降りしにくい。ルーフがないにも関わらず、かなり圧迫感もあった。

だが数周もサーキットに集中すれば、その存在は気にならなくなった。正面の視界は、わずかに影響を受けるけれど。

サーキットでの能力を考えればお買得

ラディカルRS10の英国価格は、まだ発表されていない。従来モデルの12万3500ポンド(約1914万円)は、大きく超えないようではある。

決して安い金額ではないが、サーキットでの能力を考えれば、間違いなくバーゲンプライス。ドライバーの態勢次第では、上級の走行会だけでなく、実際にレースへ参戦することも可能となる。

ラディカルRS10
ラディカルRS10

ラディカルRS10以上にスリリングな体験は、他のモデルでは簡単に得られるものではない。価格帯を上に広げても。

ラディカルRS10のスペック

英国価格:12万5000ポンド(約1937万円/予想)
全長:4077mm
全幅:1799mm
全高:1093mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:2.4秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:725kg
パワートレイン:直列4気筒2261ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:431ps/6900rpm
最大トルク:52.4kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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