ソフトでマイルド シトロエンC3 ピュアテック110へ試乗 3度目のアップデート

公開 : 2022.03.14 08:25

シトロエンのハッチバックがフェイスリフト。質感の良いエンジンとソフトな乗り心地を、英国編集部は評価します。

2年間で3回もアップデートを受けたC3

実はシトロエンは、C3をここ2年間で3回もアップデートしている。小さなハッチバックはその度に、トリムグレードにも変化が与えられてきた。

当初、欧州ではタッチとフィール、フレアという3種類が用意されていたが、ライブとセンス、シャインへ変更され、ベースグレードとしてCシリーズが追加。現在はセント・ジェームズとシャイン、シャインプラスという展開になっている。

シトロエンC3 ピュアテック110 シャイン・プラス EAT6(英国仕様)
シトロエンC3 ピュアテック110 シャイン・プラス EAT6(英国仕様)

ちなみに、セント・ジェームズという名前は、フランスのカジュアル・ファッションブランドとのコラボレーションから来ているという。おしゃれ重視なシトロエンらしい。

シトロエンC3は、フォルクスワーゲン・ポロに近いボディサイズを持つ、コンパクトハッチバックだ。しかし最近は、クロスオーバーの人気へ押され気味。フェイスリフトに合わせて、価格が若干引き下げられた理由でもある。

英国では、C3を約1万4000ポンド(約217万円)から購入することができる。ただし今回試乗したクルマは、最も高性能なトップグレード、ピュアテック110のシャイン・プラス。こちらは2万945ポンド(約324万円)へ上昇する。

好印象な3気筒エンジンと柔らかい乗り心地

エンジンは、ステランティス・グループ自慢の1.2L 3気筒ターボガソリン。ピュアテックと呼ばれるユニットで、C3の場合は83psか110psの最高出力が選択できる。

110psを選べば、多くのユーザーにとって充分な動力性能が得られる。普段暮らす市街地から、遠く離れた目的地を目指さない限り。

シトロエンC3 ピュアテック110 シャイン・プラス EAT6(英国仕様)
シトロエンC3 ピュアテック110 シャイン・プラス EAT6(英国仕様)

この3気筒エンジンの仕上がりは良好で、不足ないパワーと粘り強さ、優れた燃費を兼ね備えている。質感も良く、エンジンノイズも比較的静かといえるものだ。

しかし、その印象の足を引っ張るのが6速オートマティック。のんびりした変速の度に、サスペンションが柔らかいC3のボディが揺れてしまう。マニュアルも選択できるが、こちらもシフトフィールは若干曖昧に感じた。

ソフトなサスペンションのおかげで、乗り心地はスポンジのようにマイルド。高速道路をクルージングさせていると、ひと回り大きなクルマを運転しているような、不思議な体験も味わえる。

穏やかに流している限り、問題はない。リラックスして運転できる。ただし、舗装の剥がれた穴などを通過しても、完全に衝撃を吸収してくれるわけでもないようだ。スポーティとは、別のベクトルを向いている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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