360馬力のPHEVを獲得 DS 9 E-テンス 4×4 360 リボリ+へ試乗 快適性に焦点

公開 : 2022.03.13 08:25  更新 : 2022.04.23 12:07

DSのフラグシップが、プジョー508 PSE用PHEVを獲得。サルーン低迷時代を生き抜ける完成度か、英国編集部が確かめました。

プジョー508 PSE用のPHEVを搭載

シトロエンがかつて生産していたDSという上級サルーンは、素晴らしいクルマだった。エンジンを除いて。

現在はステランティス・グループの上級ブランドとして独立したDSだが、そんな心配はいらない様子。従来以上に上質でたくましい、ハイブリッド・ユニットを獲得した。

DS 9 E-テンス 4x4 360 リボリ+(欧州仕様)
DS 9 E-テンス 4×4 360 リボリ+(欧州仕様)

メルセデス・ベンツジャガーレクサスなどに対抗するブランドとして、パワフルなトップグレードは必要不可欠。グループ内のモデルを俯瞰し、プジョー508 PSE用のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)へ白羽の矢が立ったようだ。

つまり、200psを発揮する1.6Lの4気筒ガソリンターボ・エンジンに、2基の駆動用モーターが組み合わされている。1基は110psで、エンジンと一緒に8速ATを介してフロントタイヤを駆動。もう1基は独立しており、112psを発揮しリアタイヤを駆動する。

AUTOCARでは、スポーティなプジョー508が気に入っている。一方で、DSのフラッグシップ・サルーンとして求められるのは、ドライバーとの一体感より安楽で上質な走り。さらに、これまでより価格も高い。DS 9との相性はいかがだろう。

既存の9 E-テンス 225の英国価格は、4万6100ポンド(約714万円)から。だが、今回試乗したE-テンス 360では、5万4100ポンド(約838万円)へ増えてしまう。

トップグレードのリボリ+を選択すると、5万7200ポンド(約886万円)になる。この金額は、6気筒エンジンのPHEV、BMW 545eにも迫るものだ。

DSパフォーマンス部門で最終仕上げ

やや高めの金額を生んでいる理由は、高度なPHEVシステムだけではなく、製造過程にもある。すべての9は中国の工場で生産されているが、E-テンス 360の場合は特注に近い。

当初、E-テンス 360は前輪駆動のE-テンスとして生産される。その後、フランス・パリ北西部のポワシーに構える、DSパフォーマンス部門のワークショップへ運ばれる。ここは、同社のフォーミュラEマシンを制作している場所でもある。

DS 9 E-テンス 4x4 360 リボリ+(欧州仕様)
DS 9 E-テンス 4×4 360 リボリ+(欧州仕様)

到着すると、駆動用モーターを含むリアアスクルと、380mmの大径フロントブレーキ、車高が下がり引き締められたサスペンションが組み付けられる。フロントで24mm、リアで12mm、トレッドをワイド化するため、ウイッシュボーンも専用品だという。

クルマ好きなら惹かれそうなプロセスを知ると、プレミアムな価格にも納得できるかもしれない。ところが実際の走りで、その手間が充分に活きているともいえないようだ。

まず、9 E-テンス 360には褒めるべきところが沢山ある。インテリアには、パフォーマンス・ライン+ではアルカンターラ、リボリ+ではレザーが贅沢に用いられている。素材の上質さや設えの水準、デザイン、ソリッドなタッチなど、とても充足度が高い。

人間工学に優れており、クルージング時の乗り心地も滑らか。ストレスフリーで長距離移動をこなせる。E-テンス 225でもその表現は当てはまったが、360なら、より高い速度域までその印象が保たれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

DSの人気画像