本気度を増すフォードの電動化 7車種の新型EV、2024年までに欧州発売 新戦略発表

公開 : 2022.03.15 06:05

欧州フォードは2024年までに7台の新型EVを発売し、欧州市場における電動化を加速させる計画です。

乗用車3台、商用車4台を追加

フォードは、2024年までに欧州で7台の新型EVを発売すると発表した。フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを使用した新型クロスオーバーを筆頭に、乗用モデル3台と商用モデル4台を新たに展開する。

フォードの欧州責任者であるスチュアート・ローリーは、2035年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標と、同年以降はEVのみを販売する計画を発表。フォードの約120年の歴史において「極めて重要」なものであると説明した。

フォード・マスタング・マッハE
フォード・マスタング・マッハE

3台の乗用モデルは既存のフォード・マスタング・マッハE、Eトランジットに続く完全EVとなる予定だ。この3台は、今月初めに行われた組織改革の一環として、バッテリーEV事業を内燃エンジン事業から分離するために設立された新部門「モデルe」から展開する。

最初に発売される乗用モデルは、フォルクスワーゲンID.4をベースにしたもので、マスタング・マッハEの下に位置することが予想される。2023年に発売され、ドイツ・ケルンにあるフォード最新鋭のEV製造施設で製造される予定。公式には「ミディアムサイズのクロスオーバー」と説明されている。

トルコにバッテリー工場新設

これに続く2台目のEVは2024年に発売予定で、「スポーツクロスオーバー」と表現されている。フォルクスワーゲンID.5をベースにした、より性能重視のクーペSUVになる可能性が高い。

3台目は、フォード・プーマEVだ。2024年から発売される予定で、生産能力の調整の結果、フォード・エコスポーツは今年末に生産を終了することとなった。

マスタング・マッハEとEトランジットを含む、全9台のEVラインナップを欧州で展開する計画。
マスタング・マッハEとEトランジットを含む、全9台のEVラインナップを欧州で展開する計画。    フォード

さらに、4台の商用モデルが2023年から発売される。2023年に1トンクラスの商用バンとしてトランジット・カスタムとトルネオ・カスタム、2024年に小型のトランジット・クーリエとトルネオ・クーリエが発売される予定である。

フォードによると、これら新型車7台の投入により、2026年までに年間60万台のEVを販売し、6年間で120万台がケルンで製造される見込みだという。そのため、工場の開発に20億ドル(約2360億円)の追加投資を行っている。

さらにSK On Co Ltdおよびコチ・ホールディングと合弁で、トルコにバッテリー工場を新設する。また、ルーマニアのクライオバ工場の所有権をフォード・オトサンとの合弁会社に移管することも発表している。

フォードはこうした取り組みにより、2035年までに全車両販売におけるゼロ・エミッションと、施設、物流、サプライヤーなど欧州全体におけるカーボン・ニュートラルを達成できるとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジム・ホルダー

    Jim Holder

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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