排気量や馬力は関係ない! 遅くても運転が楽しいクルマ 20選 生粋のドライバーズカーたち

公開 : 2022.03.20 06:05

運転の楽しさに、排気量や馬力は必要ない。そんなことを教えてくれるドライバーズカーを20台紹介します。

遅いクルマを速く走らせるほうが楽しい

突然だが、「楽しいクルマ」を思い浮かべてほしい。

そう言われて、ポルシェランボルギーニといったメーカーが製造する、大排気量・高出力の高級車を思い浮かべた方も多いのではないだろうか。スポーツカーの運転は人生最高の体験の1つと言えるものだが、運転することを楽しむためにわざわざ重いローンを組む必要はない。

ここに紹介するクルマを中古車市場で探してみるのも面白いかもしれない。
ここに紹介するクルマを中古車市場で探してみるのも面白いかもしれない。

実際、現代の高性能スポーツカーの性能をフルに発揮できる場所は少ない。その結果、普通の道路で運転することにフラストレーションを感じることもある。

よく言われるように、「速いクルマを遅く走らせるより、遅いクルマを速く走らせる方が楽しい」ということもある。ここでは、運転の楽しさは馬力や排気量、加速力とは関係ない、ということを実証してくれるクルマを紹介する。

オースチン・ヒーレー・スプライト(1958年)

英国のスポーツカーブランド、オースチン・ヒーレーは、低予算のスポーツカー愛好家のために初代スプライトを開発した。そのため、価格もパワーもそれ相応に設定された。

「フロッグアイ(蛙の目)」のような独特のヘッドライトの奥には、モリス・マイナーから借用した948cc 4気筒エンジンを搭載し、最高出力44psにチューンアップされている。

オースチン・ヒーレー・スプライト(1958年)
オースチン・ヒーレー・スプライト(1958年)

スプライトはドラッグレースでは勝てないが、そのドライビングの純粋な面白さは、1950年代から1970年代にかけての英国産コンバーチブルの素晴らしさを端的に物語っている。

オースチン・ミニ(1959年)

初代ミニはもともと、スポーティにデザインされたものではない。低い着座位置、軽い車重、優れたエンジンなど、さまざまな要素のおかげで、ほぼ偶然にそうなったのである。

大がかりな改造を施さない限り、速度記録を更新することはできないが、「ゴーカートのようなハンドリング」という言葉を生み出したクルマであるということから、その魅力の深さをうかがい知ることができる。

オースチン・ミニ(1959年)
オースチン・ミニ(1959年)

モンテカルロで何度も優勝しているクーパーチューンのモデル(写真)は真のホットハッチだが、34psのベーシックなモデルでさえ、ハンドルを握れば数秒後には笑顔がこぼれるはずだ。

フィアット850スパイダー(1965年)

フィアットは850のラインナップを拡充し、1965年のジュネーブ・モーターショーでベルトーネデザインの新型スパイダーを発表した。標準の850に代わるスポーティなモデルとして販売され、欧州仕様車にはその理念を裏付けるように50psの843cc 4気筒エンジンが搭載されている。

決して速いとはいえないが、魅力的なドライビング・エクスペリエンスを提供し、エンスージアストから絶賛された。当時のパンフレットには、最高速度145km/hと謳われていた。

フィアット850スパイダー(1965年)
フィアット850スパイダー(1965年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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