マツダCX-60登場で揺らぐ? CX-5「微妙な」立ち位置 乗り比べて明らかになったこと

公開 : 2022.04.07 17:45

マツダのCX-60がついに日本発表。CX-5と比べてわかったFRの新型SUVの走りの進化を解説します。

CX-60CX-5の後継にあらず

欧州に次いで日本でも「CX-60」が正式に発表された。

登場したCX-60は、FRのマツダとしてまったく新しい車体構造を持つ。

マツダCX-60欧州仕様プロトタイプ(左)とCX-5(右)
マツダCX-60欧州仕様プロトタイプ(左)とCX-5(右)    マツダ

FRを活かして、エンジンは直列形式を採用し、直4と直6、ガソリンとディーゼル、さらにマイルドハイブリッド車やプラグインハイブリッド車と多彩なラインナップを揃えた。

ここ数年間のマツダに関するうわさを振り返ってみると、「CX-5の後継車はFRとなる」という話題をネットや自動車専門誌で目にした人が少なくないだろう。

こうしたうわさが完全になくなったのは、2021年10月のことだ。

マツダは「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」を発表。

それによると、スモール商品群ではCX-50を北米市場向けに。また、ラージ商品群では欧州と日本向けに、2列シートのCX-60と3列シートのCX-80、さらに北米などではワイドボディで2列シートのCX-70と3列シートのCX-90を導入するという事業展開の全体像が明らかになった。

その1か月後の11月には「CX-5」の大幅改良を発表し、ニーズが多様化するユーザーに対応するため「フィールドジャーニー」など特別仕様車を追加した。

CX-5の開発統括者は「今、グローバルで最も多く売れているマツダ車はCX-5であり、これからもCX-5はスモール商品群とラージ商品群と並存することになる」と指摘している。

CX-5はスモール商品群へ

とはいえ、スモール商品群やラージ商品群がマツダの主流になって行く中、CX-5の位置付けが少し分かりづらいようにも思う。

そこで、あらためて整理すると、マツダの商品群が刷新されたのは2012年からで、その第1弾がCX-5だった。

マツダCX-5
マツダCX-5

マツダが中長期の商品開発ロードマップとして、ビルディングブロック構想を唱えており、2012年~2018年までは、そのフェーズ1となる。

続く2019年からフェーズ2に入り、「マツダ3」を皮切りにスモール商品群を拡充し2021年時点で初期段階を完成させた。

そして2022年からフェーズ2の続きとして、CX-60からラージ商品群の市場導入を始めた。

つまり、現行のマツダのラインナップには、スモール商品群、ラージ商品群、そしてフェーズ1からの改良した商品群という、大きく3つの枠組みがあるのだ。

さらにいえば、2025年頃からのフェーズ3では、BEV(電気自動車)専用アーキテクチャーを導入する計画だが、それと並行してフェーズ1の一部は「CX-5などは、スモール商品群に組み入れられることになるだろう」(マツダ幹部)という流れとなる。

それまでの間、CX-5は年次改良を続けていくことになりそうだ。

そのうえで、CX-5とCX-60を実際に乗り比べてみると、どのような違いを感じるのだろうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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