【詳細データテスト】トヨタ・アイゴX 1クラス上のシャシーと洗練度 エンジンは非力 価格は高すぎ

公開 : 2022.05.21 20:25

結論 ★★★★★★★☆☆☆

レッドリストの絶滅危惧種は3段階に分かれている。シティカーを当てはめるなら、もっとも危険視されるIA類とはいわないまでも、絶滅が危ぶまれる3ランク目のII類くらいには相当するだろう。

それゆえ、このカテゴリーに新顔が登場したのは歓迎すべきことだ。しかし、このトヨタのアプローチが、セグメントの未来を切り開くものなのかどうか、われわれは確信が持てない。

結論:ほとんどの部分で、非常に成熟したスモールカーだと評価できる。ただし、あまりにも割高なのも事実だ。
結論:ほとんどの部分で、非常に成熟したスモールカーだと評価できる。ただし、あまりにも割高なのも事実だ。    MAX EDLESTON

ほぼ全般的に、アイゴXはすばらしい出来のスモールカーだ。インテリアは、価値あるドライブを楽しむのにぴったりだ。特別広いわけではないが、デザインは楽しげで、エルゴノミクスは模範的。あったらいいなと思うようなテクノロジーは、オプションも含めればたいてい手に入る。シャシー性能と洗練度は、ひとクラス上のレベルに達している。

しかしながら、エンジンは歴代アイゴで使い古されたユニットで、2022年の基準に照らせば悲しいほど非力だ。みごとなまでに使いやすいMTのギアボックスは、そのアンダーパワーなエンジンを走りやすい状態に保ってくれる。それでも、ライバル車たちのターボユニットと比べると見劣りするのは否めない。

だが、アイゴX最大の問題は価格だ。もっともベーシックなバージョンなら、値付けを正当化できる。しかし、上位グレードになるとかなり高額だ。その価格帯を考えると、遅さと狭い室内スペースへの不満が高まる。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート

個人的にはキャンバスのサンルーフが好きだ。安いコンパクトカーに求めるような類のファンな感じを与えてくれるからだ。ただ、電動にする必要はあったのだろうか。もしも手動なら、開閉を素早く簡単にできただろうし、いちいちエンジンをかけなくても開け閉めできる。なにより、価格を低くできるのに。

マット・ソーンダース

アイゴXがホットハッチのように走るとはとは誰も期待していないだろうし、3気筒とタイトなMTで小さなクルマを鞭打って走らせるのもそれはそれでおもしろみがある。とはいえ、その遅さには現代のクルマとは思えないものがある。

オプション追加のアドバイス

ベーシックなピュア仕様以外は、金額的に割に合わない。そのグレードでも、シティカーに不可欠と思われる以上の装備内容となっている。残念なのは、ボディカラーの選択肢にモノクロなものが多すぎることと、インフォテインメントシステムが旧式だということだ。上位グレードを選ぶなら、キャンバスルーフの追加をおすすめしたい。

改善してほしいポイント

・もっとパワーが出るエンジンを。ターボ版を追加してもいいかもしれない。
・フロントのシートバックのボリュームを削ぎ落として、後席レッグルームを拡大してほしい。
・価格に見合ったもっと上質なトリムを用意するべきだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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