日産サクラ&三菱eKクロスEV「航続距離180km」に賛否両論 地方ユーザーにオススメできるワケ

公開 : 2022.05.25 05:45

どんなユーザーにオススメ?

それでは日産サクラ三菱eKクロスEVはどんなユーザーにオススメなのかといえば、第1に自宅に充電コンセントを備えることができるユーザーというのが大前提となるだろう。

もちろん外部の急速充電にも対応はしているが、最大でも30kWhまでの充電速度となっており、バッテリー残量警告灯が点灯してから80%まで急速充電するには40分という時間が必要になる。

三菱eKクロスEV
三菱eKクロスEV    宮澤佳久

これは倍の容量の駆動用バッテリーを搭載するリーフの40kWh車と同じ充電時間となっていることからも、急速充電はあくまでエマージェンシー用ということが分かる。

また自宅には軽BEVだけでなく、ガソリンやハイブリッド、PHEVのほかの車両があり、あくまで日常の移動や通勤の足として軽BEVを使うという層がターゲットとなっている。

そのため日産サクラは輸入プレミアムブランドを保有しているユーザーも取り込めるようにプレミアム感を前面に押し出した仕上がりとなっているし、eKクロスEVは同社のアウトランダーPHEVやデリカD:5、パジェロなどのユーザーのセカンドカー需要を狙ってeKクロスにのみEVを設定しているというワケだ。

そしてなによりもっとも軽BEVに親和性が高いのは、地方に住んでいるユーザーだろう。

自宅前にはひとり1台分の駐車スペースがあり、クルマがないと不便な地域であるものの、近隣のガソリンスタンドは軒並み閉店してしまい、給油するのに遠回りをしなければならないというような地域であっても、自宅で充電することができればわざわざ給油のために足をのばす必要もないし、長距離移動のときは別のクルマがあるため不便もない。

そしていざというときはBEVが非常用電源となってくれるので安心感も高い。

このような過疎地域の不便を解決してくれる存在こそ軽BEVなのかもしれないのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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