先端技術満載で公道走行可能 メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプトへ試乗 航続1126km以上 前編

公開 : 2022.08.08 08:25

近未来のBEVを見据え、最新の空気力学で仕上げられたEQXX。航続距離を最大限に伸ばす技術を、英国編集部が体験しました。

100kWhのバッテリーで航続距離1126km

グレートブリテン島の中南部に位置するロンドンから、北端のジョン・オ・グローツという町まで、無充電で走破できるバッテリーEV(BEV)を想像して欲しい。片道約1100kmある。しかも、走行速度や快適性、運転の楽しさを両立させたモデルを。

確かに、現在の量産モデルには存在しない。だが、ドイツの老舗メーカーは実現可能だと考えている。今回筆者が試乗したコンセプトカー、メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXXは、それを証明する実力を披露してくれた。

メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト
メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト

滑らかなボディを持つ後輪駆動のBEVサルーンは、最新のパワートレインや空気力学、軽量な車体構造などのショーケース的役割を担っている。メルセデス・ベンツは、将来の量産モデルを見据えた内容だと説明する。

肝心の電費効率は、12.0km/kWh。最近発売されたメルセデス・ベンツEクラスに相当するBEV、EQEの2倍というエネルギー効率を実現している。専用開発の駆動用バッテリーの容量は100kWhで、航続距離は1126km以上が主張されている。

ちなみに、後輪駆動のEQE 350の場合、駆動用バッテリーの容量は90.6kWh。航続距離は659kmとなっている。

ビジョンEQXXが搭載する駆動用バッテリーは、中国のCATL社によって新開発されたリチウムイオン。電圧900Vで稼働し、体積1L当たり400Whという高いエネルギー密度を誇る。同等の容量で比較し、従来のバッテリーより50%小さく、30%軽量だという。

公道走行可能な先端コンセプトカー

さらにEQXXで注目すべき点が、多くのコンセプトカーとは異なり公道走行が可能ということ。すでに一般道での実験走行も2度実施済みで、過去にはドイツ・シュツットガルトから英国南部のグッドウッドまで、約1200kmを無充電で走破している。

その時にステアリングホイールを握ったのは、高度に訓練されたテストドライバー。リアルタイムにドイツの拠点とデータ通信され、技術者と密に連絡を取り合って達成したロングドライブだった。

メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト
メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト

これまでの試験を経て、メルセデス・ベンツはEQXXの能力に確信を抱いたようだ。どんなドライバーが運転しても、優れたエネルギー効率を引き出せるという自信を持っている様子。筆者にも実際に体験して欲しいと、クルマのカギを貸してくれるほど。

この滑らかな4ドアサルーンの車内へ入るのは、今回が2回目。AUTOCARを定期的にお読みいただいている方なら、2022年の春にアップした同乗レポートを目にされているかと思う。

ゆっくりと、限られたルートを往復するだけではない。ドイツ南部、インメンディンゲンの広大なテストコースと、その周辺に広がる一般道を本格的に運転させてもらうことができた。

運転席へ座る前に、改めてこのクルマの概要をお伝えしよう。横から見るとティアドロップ状の流線型ボディの後端には、モーターで展開するディフューザーを含む、多彩なアクティブエアロが実装されている。空気抵抗を示すCd値は0.17と、驚くほど低い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

先端技術満載で公道走行可能 メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプトへ試乗 航続1126km以上の前後関係

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