競争力大幅アップの8代目 ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボへ試乗 装備充実

公開 : 2022.08.30 08:25

オペルのハッチバック、アストラがモデルチェンジ。先進技術とモダンなデザインで、競争力は高いと英国編集部は評価します。

ガソリンからBEVまで選べるパワーユニット

従来のヴォグゾールオペル)・アストラには、派生モデルが多かった。だが最新型ではラインナップのスリム化が図られ、大幅に削られている。

それでもパワーユニットは2種のガソリンエンジンと、ディーゼル、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)から選択可能で、もうすぐバッテリーEV(BEV)が登場予定。5種類もある。トランスミッションは2種あり、トリムグレードは3つから選べる。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)

その反面、オプションは6種類のみ。PHEV用の7kW車載充電器とメタリック塗装、プレミアム・メタリック塗装、牽引バー、ダイアモンドカット・アルミホイール、ベンチレーションとヒーター内臓のナッパレザー・シートが、その選択肢となる。

ホームページを開いて、コンフィギュレーターであれこれ悩む必要はない。2分もあれば、仕様は決まるだろう。

新しいアストラで売れ筋と考えられているパワーユニットが、今回試乗した1.2Lターボガソリン。英国の場合は約60%を占めるらしい。トリムグレードはGSラインで、これは65%の支持を集める見込みだという。

つまり、試乗車は英国では最も人気を集めるであろうアストラ。デュアルゾーン・エアコンに360度カメラ、シートヒーター、熱線入りステアリングホイール、キーレスエントリーなど装備も充実しているから、それも納得ではある。

スマートなインテリア・デザイン

上位のトリムグレードには、アルティメットが存在する。ヘッドアップ・ディスプレイと8スピーカー・ステレオが装備されるが、それらが不要ならGSラインで充分だろう。

インテリア・デザインは、ずっとスマートさを向上させた。レッドとホワイトの差し色がダッシュボードやシートにあしらわれ、ピュアパネルと呼ばれるインフォテインメントとメーターパネルが一体になったモニターが印象的だ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)

エアコンの送風口がワイドにドア側まで伸び、視覚的にもモダン。エアコン用として、実際に押せるハードボタンが残されているのもうれしい。ピアノブラックのパネルが多く、指紋が残りやすいのが玉に瑕といえる。

タッチモニターへ触れる際、指を支えられる場所も用意されている。ライバルより印象は良い。

一方で少し残念なのが、リアシートの足もとまわりが少々狭いこと。着座位置も高めで、天井へ頭が触れそうになってしまう。あまり広々とした印象は受けない。

オペルは、アストラを洗練されたモデルにするべく、多くの時間と費用を割いている。実際、ドアのゴムシールや防音性の高いガラスなど、各部にその成果が出ている。風切り音も小さいし、エンジン音も抑えられている。

ガソリンターボ・エンジンのノイズが、走行中はうっすら聞こえてくる。3気筒だから、個性的なBGMとして悪くない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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