1990年代後半を代表する名車 41選 後編 価値ある未来のクラシックカーたち

公開 : 2022.08.13 06:25

1996年から1999年までに発売されたクルマを、欧州車を中心に41台紹介します。後編は、三菱ランエボVからBMW X5まで、見た目も走りも肉厚なモデルが並びます。

ホンダ・インテグラ・タイプR(1997~2000年)

強力な心臓を持ったホンダのヒーロー。トルクフルなターボと電動ステアリングが普及した今日では、90年代ならではのスリリングなドライビングを楽しむことができる。

すべてアナログで、レーシングカーのように華麗に舞う高回転型VTECエンジンと、史上最高とは言わないまでも素晴らしいFFシャシーを備えている。価格は上がっているが、今のうちに楽しんでおきたいクルマである。

ホンダ・インテグラ・タイプR(1997~2000年)
ホンダ・インテグラ・タイプR(1997~2000年)

サーブ9-5エアロ(1997~2010年)

9-5は、サーブのフラッグシップモデル。標準グレードもいいが、上級グレードのエアロを選ぶ理由は、高い性能と座り心地のいいシート、ふわふわのサスペンションにある。いつまでも安くはないだろう。中古車ではブースト漏れと電気系統の不具合に注意。

サーブ9-5エアロ(1997~2010年)
サーブ9-5エアロ(1997~2010年)

初代スバルフォレスター(1997~2002年)

初代フォレスターは、格好良くて実直、かつ頑丈なワークホースである。自然吸気の2.0L水平対向エンジンは信頼性が高く、ターボモデルは現代のインプレッサと同等の速さを持つ。また、ハンドリングも驚くほど良く、AWDによりどこへでも行ける。ただし、台数は少なくなってきているので、お早めに。

初代スバル・フォレスター(1997~2002年)
初代スバル・フォレスター(1997~2002年)

ベントレーアルナージ(1998~2009年)

ロールス・ロイスと同じ屋根の下にいたベントレーの大型セダン。当初は355psのBMW製4.4Lツインターボ、1999年からは456psのオリジナル6.75Lエンジンが搭載された。選ぶなら後者が望ましいとされているが、前者の方が機敏でメンテナンスも容易。しかし、いずれにしてもメンテナンスと保険料には注意が必要だ。

ベントレー・アルナージ(1998~2009年)
ベントレー・アルナージ(1998~2009年)

フィアット・ムルティプラ(1998~2004年)

ムルティプラは見慣れない形をしているが、決して悪いものではない。残念ながら「世界で最も醜いクルマ」ランキングの常連でもあるが、そうした風潮を気にする必要はない。

このような実用的で風変わりなクルマ(フロントシートには3人が座れ、真ん中の席は18Lの冷蔵庫とすることもできる)は、評価に値する。ハンドリングも驚くほど満足のいく出来栄えで、路上追従性も抜群にいい。

フィアット・ムルティプラ(1998~2004年)
フィアット・ムルティプラ(1998~2004年)

初代フォード・フォーカス(1998~2004年)

これこそ、フォードの走りを再発明したクルマだ。後輪駆動の6代目エスコート以来、ファミリー向けのフォードとしてはおそらく最も運転が楽しいと思える1台である。

フォーカスは欧州フォードのラインナップを完全に若返らせた。フィエスタ、モンデオなどはクラストップの走りを備えているが、その前例を作ったのはフォーカスである。フォードのエンジニアを駆り立て、ひいては購入者の心を惹いた偉大なハッチバックなのだ。

初代フォード・フォーカス(1998~2004年)
初代フォード・フォーカス(1998~2004年)

購入者の多くは、なぜフォードがいいと思えるのかわからないかもしれないが、気に入っていることは間違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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