ブースト上昇で550ps BMW M4 CSLへ試乗 ハードコアでも一般道に妥協なし 前編

公開 : 2022.10.07 10:49

歴代のMモデルでも、特別な存在といえるCSL。M社50周年の節目に誕生した限定のM4を、英国編集部が公道で評価しました。

特別な意味を持つCSLのイニシャル

BMW M社が誕生から50周年を迎えたことは、AUTOCARをお読みのクルマ好きならご存知かと思う。そんな彼らは自らの起源を振り返るように、熱烈なファンに向けたM4 CSLを作り上げた。

M社は半世紀という大きな節目に、プラグイン・ハイブリッドの大型SUVも発表している。そのBMW XMは時代を捉えたモデルといえ、生まれた理由を理解することはできる。だが、真打ちはM4 CSL。最後の3文字に大きな意味がある。

BMW M4 CSL(英国仕様)
BMW M4 CSL(英国仕様)

そんなこと知っているよ、という読者は少しお付き合いいただきたいが、BMW M社の前身はBMW モータースポーツ社。その名の通り、モータースポーツにおける競争力を高めるため、1972年に設立された。

彼らが最初に手掛けた公道用モデルが、レースの参戦規定に合わせたホモロゲーション・モデルとなる、E9型クーペをベースにしたBMW 3.0 CSLだ。バットモービルというあだ名が付くほど、アグレッシブな見た目が特長だった。

それ以来、CSLというイニシャルは、ミュンヘンのブランドにとって特別な意味を含むようになった。しかし、実際の量産モデルへ与えられたのは、2003年に登場したE46型M3のCSLのみ。既に20年近く前のモデルだ。

これまでのM3や、後年に改名されたM4には、GTSやGTRなど特別な仕様が設定されてきた。しかし、CSLを関したモデルは過去に2例だけ。3番目となるG82型が、いかに特別な存在なのかを示している。

快適性を維持しつつM4から100kg減量

このCSLとは、コンペティション・スポーツ・ライトウエイトの略。2003年のE46型M3 CSLは、セミスリック状態のミシュラン・カップ・タイヤを装備し、BMWとして初の公道も走れるレーシングカーといえる内容だった。

カーボンファイバー製のルーフをまとった、同社初の量産モデルでもあった。防音材や純正ナビ、エアコン、パワーシートなどが省かれ、徹底的な軽量化が図られていた。希望すれば、リアシートも取り払うことができた。

BMW M4 CSL(英国仕様)
BMW M4 CSL(英国仕様)

その結果、ベースのE46型M3クーペより110kgをダイエット。ライトウエイトと呼ぶのにふさわしい仕上がりといえた。

今回ご紹介するG82型M4 CSLも、現行のM4から100kg車重を削っている。とはいえ、エアコンやステレオ、インフォテインメント・システムなどは残されている。

この手の高性能モデルを即決で契約できる裕福なカーマニアは、日常的に運転できる快適性も重視する。BMWは50年の月日を掛けて、その嗜好を学び取ってきた。

今から18年前に発売されたE46型M3 CSLの英国価格は、5万8000ポンド(約957万円)ほど。一方で2022年のG82型M4 CSLは、12万8820ポンド(約2125万円)となっている。

この間のインフレを換算すると、現代ならE46型M3 CSLは9万ポンド(約1485万円)前後になる。先代のCSLがお手頃な価格設定だったことも、最新版が大幅に値上がりしたこともわかる。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ブースト上昇で550ps BMW M4 CSLへ試乗 ハードコアでも一般道に妥協なしの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事