三菱ミラージュ生産終了 三菱黄金時代を支えた功労者 44年の歴史を振り返る

公開 : 2022.12.28 16:25  更新 : 2022.12.28 16:58

三菱ミラージュの生産終了が発表されました。1978年の発売開始から三菱を支えたコンパクトカーの歴史を紹介します。

ミラージュ生産終了

三菱はコンパクトカー「ミラージュ」の生産終了を発表した。同社ウェブサイトでは、「ミラージュは生産終了のため、ボディカラーやオプションなどがお客様のご希望に添えない場合がございます」と案内されている。

ミラージュは第1次オイルショック後の1978年、新販売チャンネル「カープラザ」の専売車種として正式に発売された。

6代目三菱ミラージュ
6代目三菱ミラージュ    三菱

5代目で1度姿を消すも、2012年に世界戦略車としてその名が復活(日本仕様車の発売)。

6代目は10年にわたり販売されていたが、今回再び日本でその歴史が途切れることになる。

今回は6代目までの歴代「ミラージュ」を紹介する。

初代 三菱初のFFモデル

初代ミラージュは第1次オイルショック後の省資源、省燃費の世界情勢を受け、三菱独自のスタイリング、技術を織り込んだワールドミニマムカーとして開発された。

1977年10月の東京モーターショーにあわせ車名を発表。「ミラージュ」とは「神秘/ロマンチック/蜃気楼」を表すフランス語。

初代三菱ミラージュ
初代三菱ミラージュ    三菱

1978年3月、新販売チャンネル「カープラザ」の専売車種として正式に発売された。海外では「コルト」の名称で販売された。

ボディデザインは安定感のある台形を基本とし、空気抵抗を抑えるスラントノーズ、ボディの凹凸を抑えたフラッシュサーフェイスを採用。

ドアはジャンボドアとし、ピラーを細くガラス面積を極力大きくとり、明るい快適な室内に。

三菱初のFF車「ミラージュ」は、FR用エンジンを横置きに配置するために第3軸を設けて逆転ギアを入れる必要があった。

これを副変速機として使用することで、パワー/エコノミーレンジの切替可能な、高性能と低燃費を実現した「スーパーシフト」(2×4段)が誕生した。

サスペンションは新開発U字型リアサスペンションを採用した四輪独立懸架を採用。

1978年には4ドアハッチバック車を、1979年には1.6L車や3速フルオートマチック車を追加。

さらに1982年には、車名を「ミラージュII」として4ドアサルーンを追加するとともに、1.4Lターボエンジンや低負荷時に2気筒の吸排気バルブを閉じて休止させるオリオンMD(Modulated Displacement)エンジンを追加。MDエンジンは10モード燃費20km/Lの性能を誇った。

2代目 タマゴのカタチから発想

「東京ディズニーランド」が開園した1983年10月にフルモデルチェンジした2代目は、「元気なカジュアルビークル」を基本テーマに、初代ミラージュの先進的デザインをさらに発展させたユニークで洗練たれたスタイル、高性能・低燃費エンジンのワイドバリエーション化、魅力ある新機構、新装備を備えた快適で楽しいコンパクトカーを開発の狙いとした。

ボディタイプは3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、4ドアセダンの3タイプを揃え、ユーザーの好みやニーズに幅広く対応した。

2代目三菱ミラージュ
2代目三菱ミラージュ    三菱

タマゴのカタチから発想された角がなく滑らかなフォルムとなることで、より個性的かつ空力特性、大きなガラスエリアによる良好な視界など実用性を向上させた。

エンジンは、高性能な1.6Lターボや、1.8Lディーゼル、またパワーを必要とする時は4気筒、必要としない時は2気筒に自動的に変わる1.5L MDエンジンなど、豊富なエンジンバリエーションで走りと省燃費を追求。

液晶式電子メーターやこのクラス初の周波数デジタル表示電子同調AM/FMラジオ、快適な温度をコンピュータが自動的に保つクラス初のオートヒーターなどの先進装備を採用した。

1986年に登場した「ミラージュNOW」の3ドアには、F・Aポルシェ氏(ポルシェデザイン社社長)が特別にカスタムデザインしたステアリングホイールとアルミホイールを採用し、大きな話題となった。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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