日常的な速度域でも運転は難しくない

英国の車検へ通るように、LMCはエグゾーストに触媒を取り付けている。吸気用のトランペットが並び、オリジナルのキャブレター仕様に見えるよう設計されているが、V8エンジンは燃料インジェクション。エネルギー効率にも配慮されている。

ハイチューニングのキャブレター・ユニットとは違い、低回転域でのマナーの悪さは皆無。重たいクラッチペダルとステアリングホイールを操る筋力が必要ではあるものの、日常的な速度域でも運転が難しいわけではない。

サスペンションはしなやか。英国のように継ぎ接ぎの多い道でも、充分快適と呼べる乗り心地を得ている。MKIIIの方が遥かにアグレッシブだから、LMCはMKII FIAの普段使いも可能だと考えている。

ボディサイドにはゼッケン用の白い丸が描かれ、ルーフは備わらず、サイドガラスもない。速度が上がると気流の圧力差で波動音が生じるとはいえ、高速道路のクルージングもいとわない。

気になったポイントが、ペダルレイアウト。大幅にオフセットしており、通常ならブレーキペダルがある位置にクラッチペダルが伸びている。運転する時は、常にクラッチペダルの上に左足を置いておくのが良さそうだ。踏み間違いを防げる。

MKII FIAは、コブラを名乗っていない。だが過去に作られてきた、中途半端なフェイク・コブラとはまったく異なる。その名を伏せていても、本物だといっていい。

LMC MKII FIA（英国仕様）のスペック

英国価格：11万8000ポンド（約1888万円）
全長：3848mm
全幅：1828mm
全高：1143mm
最高速度：257km/h（予想）
0-100km/h加速：4.5秒
燃費：−
CO2排出量：−
車両重量：1220kg
パワートレイン：V型8気筒5686cc自然吸気
使用燃料：ガソリン
最高出力：415ps/5400rpm
最大トルク：5.2kg-m/3000rpm
ギアボックス：5速マニュアル

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