自動車の限界に挑んだ最高のハイパーカー 10選 絶対的なパワーの芸術

公開 : 2023.04.09 18:05

4. ブガッティ・シロン

フォルクスワーゲン・グループのトップブランドであるブガッティは、2005年に世界最速の市販車を世に送り出し、歴史にその名を刻んだ。W16エンジン、最高出力1000ps、四輪駆動のヴェイロンは、400km/hの壁を突破したのだ。しかし、究極のパフォーマンスカーとして永遠に評価されることはなかった。2016年、シロンが登場したのである。

ヴェイロンがアルミニウムのスペースフレーム構造を採用していたのに対し、シロンはもっと軽量なカーボンファイバー製モノコックを採用している。ヴェイロンは最終形態で1200psの出力にとどまったものの、シロンでは1500ps近くまで向上した。そして、ヴェイロンの最高速度記録431km/hを乗り越え、1600psのスーパースポーツ仕様で市販車の速度記録を480km/h以上に引き上げ、現在は490km/hに達している。

4. ブガッティ・シロン
4. ブガッティ・シロン

記録的なスピードを簡単に達成できるハイパーカーを望むのなら、シロンがおすすめだ。ブガッティの16気筒エンジンは、確かにターボラグがあり、甘美な響きもなく、クルマというよりはホバークラフトや特急列車のそれに近い。しかし、いざ加速が始まると、まったく謙虚さのないものであった。

乗り心地は硬く、ハンドリングはほんの少し物足りないかもしれない。しかし、自動車史に名を残すような信じられないスピードを味わえるというのは、この上ない体験である。

5. マクラーレン・セナ

マクラーレンが、世界で最も尊敬され、悲劇的な運命をたどったF1ドライバーの名前を、最新の「アルティメット・シリーズ」のモデルアイデンティティとして採用したとき、モータースポーツ界と自動車業界は一斉に息をのんだ。アイルトン・セナという伝説のレーシングドライバーの名を冠し、それを新車販売という企業活動に利用することは、果たして良いことなのだろうか? 彼の名は、本当にマクラーレンが使うべきものだったのだろうか?

そのネーミングや機能優先のデザインについては、さまざまな意見があることは十分承知している。しかし、このセナというクルマに乗れば、その考え方が変わるかもしれないのだ。最も速く、最も先進的で、最もエキサイティングで、最も理に適った公道走行可能なサーキットカーを、マクラーレンが作り上げることができたのだから。

5. マクラーレン・セナ
5. マクラーレン・セナ

セナは、まさに驚異的なサーキット走行を可能にするクルマである。パワーにおいてこれに勝るクルマは少なくないが、2018年にテストを行った際には、ドライハンドリング・サーキットのラップレコードを1秒半も更新するほど驚異的なグリップ力を備えていた。ピーク時には約800kgのダウンフォースを発生し、最高出力800psのV8が唸るこのクルマは、サーキットですら神経をすり減らし、一般道ではほとんど運転できないだろうと予想される。しかし、事実はそのどちらでもない。

プロトタイプ・レーサー並みのスピードを出すと、フィードバック、安定性、ドライバビリティに包み込まれる。運転するのは肉体的な試練だが、精神的には忘れられない最高のご褒美になる。同価格帯の多くのハイパーカーに比べれば、使い勝手の良さは劣るものの、サーキットを素早く回るという任務に対するその献身的な姿勢は、まったくもって魅力的なものだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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