アジアの巨人「ヒョンデ」「BYD」、日本市場の戦いぶりは? ポイントは信頼・価格帯

公開 : 2023.05.27 21:38  更新 : 2023.05.27 22:30

韓国ヒョンデ、中国BYDの電動モデルに試乗。アイオニック5、ネッソ、アット3の印象は? 両メーカーの日本戦略と現状をチェックしましょう。

韓国・中国メーカーの動向は?

執筆:Hajime Aida(会田肇)

昨年以来、自動車業界は韓国・ヒョンデや中国・BYDの日本市場進出で大きな話題を呼んでいる。

両社に共通して言えるのは、日本進出にあたり対象車両を“電動車”としていることだ。

左上から時計回りに、「ヒョンデ・アイオニック5限定車(デジタルサイドミラー採用)」、「アイオニック6」、中国が送り出す「BYDアット3」、水素で走る「ヒョンデ・ネッソ」。
左上から時計回りに、「ヒョンデ・アイオニック5限定車(デジタルサイドミラー採用)」、「アイオニック6」、中国が送り出す「BYDアット3」、水素で走る「ヒョンデ・ネッソ」。    ヒョンデ/前田惠介

とくにヒョンデは乗用車において一度撤退した過去があるが、再進出に当たっては電動車に絞り込み、約12年ぶりの再進出となった。一方のBYDは“バス事業で足場がため”をしつつ、初進出となるEV乗用車でさらなる浸透を図る。

その両社がラインナップしたのは、ヒョンデが燃料電池車「NEXO(ネッソ)」とEV「IONIQ 5(アイオニック5)」で、BYDはEVの「ATTO3(アット3)」をまず投入。いずれも今後は電動車のラインナップを増やしていく計画だ。

両社が電動車に力を入れる背景には、日本メーカーがハイブリッド車を主力とする中で、手薄となっている電動車で存在感を発揮させようという戦略が見える。

そんな中でヒョンデは5月16日、2023年度の戦略を発表する報道関係者向けのイベント「Hyundai Brand Day」を開催した。

そこでは現在、主力としているアイオニック5をアップデートすることと、同車の台数限定モデル「アイオニック5ラウンジAWDリミテッドエディション」を発表。

また、充電前にあらかじめバッテリー温度を高めるバッテリー・プレコンディショニング機能や、初期充電出力を一時的に高めるブーストチャージング・プログラムを新たに採用することも紹介された。

「コナ」「アイオニック6」とは

また、2023年後半に導入予定の新型電動SUV「KONA Electric(コナ・エレクトリック)」と、電動4ドアクーペ「IONIQ 6(アイオニック6)」の2モデルを日本初公開した。これを低迷する販売の刺激策としたい考えだ。

「コナ・エレクトリック」は、航続距離が490km(WLTP推定)を実現するB-SUVセグメントのコンパクトなバッテリーEVとなる。

日本発売されることが明かされた「コナ・エレクトリック(試験車両)」。ヒョンデの日本戦略の鍵を握る小型SUVの電気自動車だ。
日本発売されることが明かされた「コナ・エレクトリック(試験車両)」。ヒョンデの日本戦略の鍵を握る小型SUVの電気自動車だ。    ヒョンデ

コナ自体は、ラインナップにHEV(ハイブリッド車)、ICE(内燃機関車)の各バリエーションに加え、スポーティなNラインを用意する。その中でEVが先行発表されたのは、ヒョンデが2030年までに新型EVを11車種発表するとした電動化加速戦略に基づいたものとなる。

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンによれば、今月中旬に韓国でまず販売を開始し、日本やヨーロッパ、アメリカでは今秋にも発売を予定しているそうだ。

一方の「アイオニック6」は、ヒョンデのEV専用ブランドである「IONIQ」の2番目のモデルとして誕生したバッテリーEVだ。

18分で10~80%の充電が可能な800V超高速充電機能を搭載することで、とくに充電能力を大幅に引き上げたことを特徴としている。これにより航続距離を飛躍的に延ばすことに成功した。

また、アイオニック6は今年4月、ニューヨーク国際オートショーで「ワールド・カー・アワード(WCOTY)」をはじめとする数々の賞を受賞しており、それを記念してヒョンデ・モビリティ・ジャパンではマーケティング用で導入した車両を使い、展示/試乗会を展開する予定にしている。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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