BYDアット3 詳細データテスト 英国でも快適な乗り心地 先進的なバッテリー 操作面は改善が必要

公開 : 2023.06.10 20:25

結論 ★★★★★★☆☆☆☆

BYDアット3の魅力は、完全にオリジナルとは言えないまでも風変わりなスタイルや、楽に乗れて当たり障りない走りのマナーだ。

とはいえ、長距離をやや飛ばし気味に走ると、シャシーは落ち着きをなくすことがある。また、インテリアの見誤ったところのあるデザインやソフトウェアの致命的な欠点には、イライラさせられることもある。また、室内のソフトなマテリアルは、このクラスに期待するレベルに達しているとは言えない。

結論:バッテリーの技術はすばらしい。しかし、ディテールへの気配りの欠如が残念だ。
結論:バッテリーの技術はすばらしい。しかし、ディテールへの気配りの欠如が残念だ。    MAX EDLESTON

もちろん、基本的な部分によさを見出せる点もないわけではない。室内の広さや実用性、そしてなにより重要な航続距離はなかなかのものだ。とはいえ、MG4EVやスマート#1もその点は同等で、クルマとしての完成度はずっと高い。

BYDは、じつに優れたバッテリー関連のテクノロジーを持っていて、アット3は10年前に欧州市場へ初投入したモデルから飛躍的な成長を遂げている。それでも、走りのファインチューニングが足りず、完成されたドライバビリティを手に入れるまでには至らなかった。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート

エアコンやヒーターを消しても、換気ができるのはうれしい。残念なのは、その操作がメニューの階層の下のほうに隠れていることだ。また、オートモードでは風量が上がりすぎる傾向にある。また、思いがけないときに窓が曇るケースがときどき見られた。

マット・ソーンダース

パッケージングはおおむねよくできている荷室も後席レッグルームもまずまずいい。それだけに、ボンネットの下ががらんどうなのが悔やまれる。充電ケーブルを入れるくらいのスペースは十分にあるというのに、なぜプラスティックのトレイでも設置して積載スペースとして使わないのだろうか。

オプション追加のアドバイス

上位グレードは考えなくていい。せいぜい、大型ディスプレイと電動テールゲートが追加される程度の差だ。タイヤサイズとホイールの種類は全車共通で、5色のボディカラーはどれも無償で選択できる。インテリアは、ブルーとクリームの2トーンが唯一の選択肢だ。

改善してほしいポイント

・スマートフォンとの統合機能は要改善。
・エアコンのメニューを大きく見やすいグラフィックにして、画面上に常時表示してほしい。それができるくらい、ディスプレイは大きいのだから。
・チープなクルマっぽい車内のにおいを消してもらいたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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