XJR-9の総合優勝から35年 ジャガーFペイス SVRエディション1988へ試乗 最高傑作の1台

公開 : 2023.07.04 08:25

Fペイスは歴代のジャガーで最高傑作の1台

毎日の親しみやすさは、シャシーのチューニングからも感じ取れる。SVR仕様のように高速なモデルでも、ジャガーが以前から腐心してきた特長でもある。

ドライバーとの一体感を伴い、興奮に満ちた運転へ浸れるのと同時に、乗り心地は快適で操縦性は素直。ステアリングホイールやペダルなどの操作系には、扱いやすい重み付けが与えられている。その二面性こそ、ジャガーといえる。

ジャガーFペイス SVRエディション1988(欧州仕様)
ジャガーFペイス SVRエディション1988(欧州仕様)

極太4本出しのマフラーを見ると、社会的な配慮に欠くように思えるが、実際に運転してみれば違う。これらの魅力とのトレードオフといえるのは、優れない燃費程度だろう。

Fペイスのインテリアは、数年前に施されたフェイスリフトによって、大幅にアップデートされている。8年前の登場にも関わらず、2023年に見ても古びて感じることはない。

インフォテインメント・システムは機能的で、エアコンの操作パネルが独立している点が強み。内装にはソリッドな印象があり、製造品質も高い。シートは座り心地が良いだけでなく、サイドサポートが程よく高く、しっかり身体を保持してくれる。

Fペイス SVRは素晴らしいSUVだと思う。歴代のジャガーで、最高傑作の1台に加えてもいいだろう。エディション1988に、上乗せされた価格ぶんの価値があるかどうかは、別として。

同社は電気自動車へのシフトを着実に進めている。今後、このような深い印象を残すモデルは生み出されるだろうか。

ジャガーFペイス SVRエディション1988(欧州仕様)のスペック

価格:10万1550ポンド(約1777万円)
全長:4747mm
全幅:1936mm
全高:1664mm
最高速度:244km/h
0-100km/h加速:4.0秒
燃費:8.2km/L
CO2排出量:275g/km
車両重量:2133kg
パワートレイン:V型8気筒5000ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6250-6500rpm
最大トルク:71.2kg-m/3500-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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