トヨタ新型「ランドクルーザー250」発表 プラドが14年ぶりモデルチェンジ クロカン系SUVが歩んだ33年とは

公開 : 2023.08.02 10:33  更新 : 2023.08.02 15:00

新しい「ランクル」が世界初公開! プラドとは異なる角ばった外観のクロカン系SUVの登場です。歴代の歩みとともに見ていきましょう。

ライトデューティの新型は「250」

トヨタが新型ランドクルーザーを初公開した。

これまで世界で1000万台以上が売られてきたランドクルーザー・シリーズは、「ステーションワゴン系」「ヘビーデューティ系」「ライトデューティ系」という3系統で構成されている。

新型ランドクルーザー250。発表会場には、ヘビーデューティ系となる「70系」の再再販モデルも登場、そちらについては別記事でご紹介しよう。
新型ランドクルーザー250。発表会場には、ヘビーデューティ系となる「70系」の再再販モデルも登場、そちらについては別記事でご紹介しよう。    小川亮輔

従来の「プラド」にあたるライトデューティ系で、ランクルの「コア・モデル」として登場したのが、今回の新型。

プラドを名乗らずに、新たに「新型ランドクルーザー250」という呼称をつけられた。

その姿は、これまでのラグジュアリーな装いから一新し、無骨で大きく、そして力強い。2種類のルックスが用意され、1つは丸目、もう1つは四角い目つきだ。

ボディサイズは、全長4925×全幅1980×全高1870mm。パワートレインは5種類、ハイブリッド、ガソリン、ディーゼルがラインナップされ、電動パワーステアリングを装備するのも注目だ。2024年前半に発売される予定となっている。

SUVブームのなかにあって、ライトデューティに分類されるクロカン系SUVの魅力を形にした「250」は、どのようにランクルの世界を牽引していくのか。

ここでは、プラドに代表されるライトデューティ系のランドクルーザーが歩んできた33年の歴史を振り返りながら、考えてみよう。

プラドの誕生 4ドアボディも

ランドクルーザー・プラドの名前が登場したのは1990年4月のことだが、そのベースとなったのは1985年10月に登場したランドクルーザーとしては初の乗用モデル(5ナンバー登録)である“ランドクルーザー・ワゴン”となる。

このモデルはそれまでの本格的なクロスカントリーモデルあるランドクルーザーに対し、リアシートの居住性を改善し、足回りも4輪コイルスプリングに改めてオンロードでの快適性も考慮したものとなっていた。

ランドクルーザー・ワゴン4ドア・プラドEX5(70系1990年)
ランドクルーザー・ワゴン4ドア・プラドEX5(70系1990年)    トヨタ

そして1990年4月の改良のタイミングで、それまで2ドアのみだったラインナップに4ドアモデルも追加したのが「プラド」の始まりということになる。

基本的なデザインはランドクルーザーワゴンと変わらないが、より丸みを帯びたデザインとなったほか、ヘッドライトは丸型から角型へと変更。インテリアも無骨なものから乗用車的なデザインに改められ、新たに追加となった4ドアモデルは3列シートの8人乗りとなっていた。

またトランスミッションも“ワゴン”時代は5速MTのみとなっていたが、プラドとなってからは4速ATも追加され、より多くのユーザーをターゲットにしていたことが分かる。ただ搭載エンジンは直列4気筒2.4Lのディーゼルターボ(97ps/24.5kgm)のみというのが時代を感じさせる。

その後、1991年8月には大型樹脂フェンダーを装着し、3ナンバー登録としたワイドシリーズを追加し、93年5月のマイナーチェンジではエンジンを排出ガス基準に適合した3Lのディーゼルターボに換装し、1996年5月のフルモデルチェンジまで販売が続けられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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