納車センターでの映像ショー ランドローバー・レンジローバー 長期テスト(2) VIPを疑似体験

公開 : 2023.09.02 09:45

新世代へ生まれ変わり、上級志向を強めた5代目レンジ。理想的な高級SUVといえるのか、英国編集部が長期テストで確かめます。

積算7110km 世界でもトップクラスに多能

ランドローバーレンジローバーは、世界でもトップクラスに多能なクルマだ。先日は、英国編集部で配信しているポッドキャストのレコーディングにも活躍した。

編集長のスティーブ・クロプリーと同僚のマット・プライアーがリアに座り、フロントには録音担当のスタッフが座り、快適にこなすことができたようだ。車内にある外部給電用コンセントも、ノートパソコンの電源として活躍したという。

ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

積算1万1302km 高額な部類に入るレンジローバー

最近の欧州では、新車価格が高騰している。ホットハッチに5万ポンド(約905万円)を支払う必要があることも。それでも、13万6900ポンド(約2464万円)するレンジローバー P440e オートバイオグラフィーは、かなり高額な部類に入ることは間違いない。

それほどの付加価値は、どのようにして生み出されているのか。それを確かめるには、実際に提供されている現場を訪ねるしかない。ランドローバーの本社が位置する、グレートブリテン島中部のソリフルまで、足を伸ばすことにした。

ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

特長という点では、イタリア・マラネロの本社や、ドイツ・ヴォルフスブルクの本社には匹敵しないかもしれない。しかし、英国人が誇るレンジローバーのトップグレード、オートバイオグラフィーの魅力の一端は、確認できるに違いない。

VIP専用の納車センターを訪問

レンジローバー・オートバイオグラフィーを、英国で1台注文したとしよう。事前に希望していれば、納車日になると運転手付きの車両がオーナーの自宅を訪れ、ソリフルの納車センターまで送り届けてくれる。

厳重なセキュリティの敷かれたゲートを抜けると、左側にVIP専用の納車センターがある。日常とは異なる景色が広がり、自然と心が浮き立ってくる。

グレートブリテン島中部のソリフルにあるランドローバー納車センターの様子
グレートブリテン島中部のソリフルにあるランドローバー納車センターの様子

現代的なガラス張りの建物は生産工場と隣接しており、ランドローバーの現在の好調ぶりが伝わってくる。関係者や関係車両がひっきりなしに行き交い、英国の自動車産業全体が今より輝いていた時代を想起させる。

最近、1000万ポンド(約18億1000万円)を費やしてリノベーションされた建物で、インテリアは落ち着いた配色で統一されている。真新しいレンジローバーが、玄関ホールに停められていた。

筆者とフォトグラファーは、紳士的なスタッフにより2階へ案内される。ラウンジには、小腹を満たすには充分以上の食べ物が並んでいる。

ラグジュアリーな空間に見惚れていると、レンジローバー・スタジオの副マネージャー、アダム・マーサー氏が自然に話しかけてきた。スーツ姿の彼と数分間会話を交わすと、彼は1階へ2人を招く。いよいよ、このセンターならではの体験が始まる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト ランドローバー・レンジローバーの前後関係

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