珍しい「仕様変更」 EVのボルボXC40、リア駆動に変わったメリットは?

公開 : 2023.08.31 18:15

新機能オートモードの出来は?

ハンドリングも後輪駆動を意識させるもので、コーナーの立ち上がりでアクセルペダルを踏み込むと、リアを外側に押し出すような感触とともに旋回していく。

前輪に駆動が掛からないので、ステアリングの手応えがしっとりしているところもメリットだ。

ワンペダルドライブの「オート」モードは、アクセルオフ時に、先行車との車間距離に応じて自動的に制動力を調整する。
ワンペダルドライブの「オート」モードは、アクセルオフ時に、先行車との車間距離に応じて自動的に制動力を調整する。    神村聖

ここまで明確に駆動輪の違いによる差が体感できるとは思わなかった。ボルボはもともとハンドリングうんぬんのブランドではないので、過度な演出を行わなかったことが、素直に違いとして現れたのかもしれない。

2024年モデルでは、これまでオン/オフ切り替えだったワンペダルドライブにオートモードが加わったというトピックもある。前方の信号が赤に変わったりすると、回生ブレーキを的確に効かせてスピードを落とし、停止まで導いてくれるものだ。

その作動には唐突感が一切なく、積極的に使いたくなるほどだった。前輪駆動のままでは、ここまで滑らかにできなかった可能性もある。これも後輪駆動にしたことで実現できた制御かもしれないと思った。

航続距離はEVの一面ではあるが…

現在日本で新車で買える電気自動車では、他にもホンダテスラフォルクスワーゲンヒョンデなど、多くのブランドが後輪駆動を選択している。

パッケージングや衝突安全性能で優位というのがまず思いつく要素であるが、今回2024年モデルのXC40リチャージに乗って、他にもメリットがいろいろあることが理解できた。

XC40リチャージ・プラス・シングルモーター(ヴェイパーグレーメタリック/2024年モデル)
XC40リチャージ・プラス・シングルモーター(ヴェイパーグレーメタリック/2024年モデル)    神村聖

価格はXC40リチャージ・プラスで639万円から679万円に上がっているが、それだけの価値はあると感じたし、多くの車種で500km以上の航続距離を実現した今、効率以外の部分にも目を向ける時期がきたのではないかと思った。

XC40リチャージ・プラス・シングルモーター

価格:679万円
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1650mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
航続可能距離:590km
CO2排出量:0g/km
車両重量:2030kg
パワートレイン:交流同期モーター
最高出力:238ps(175kW)/4000-5000rpm
最大トルク:42.6kgm(418Nm)/1000rpm
ギアボックス:1速固定式
乗車定員:5名
駆動方式:後輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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