「アパートで充電する」方法は? レクサスRZ 長期テスト(3) 移動オフィスになる後席

公開 : 2023.12.03 09:45

レクサス初のバッテリーEV専用モデルとなるRZ 高価格帯のSUVとして充分な能力を備えるのか 英国編集部が長期テストで確認

積算4163km 頭を悩ませるアパートでの充電

レクサスRZの印象は、日に日に良くなっている。シーンを問わず素晴らしいSUVだと、実感している。英国では7万4000ポンド(約1369万円)もするのだから、当然かもしれないが。

それでも、やはり航続距離は物足りない。これまでの日常利用で、最も優れた値は354kmに留まる。しかも、駆動用バッテリーに優しい気温で、不要な機能をすべてオフにした状態で。

レクサスRZ 450E タクミと筆者、ウィル・リメル
レクサスRZ 450E タクミと筆者、ウィル・リメル

英国のように、日常的に走る距離が長い環境では毎晩充電することになる。筆者も遠距離通勤をしている1人で、AUTOCARのオフィスまでは往復200kmほど。帰宅後に充電しないと、次の日に出勤することは難しい。

この手の高級SUVを実際に購入できる余裕があるなら、オーナーの自宅には充電器が設置されていることだろう。しかし、筆者の住まいは市街地に建つアパートの2階。自分のライフスタイルの問題ではあるのだが、充電には日々頭を悩ませている。

延長コードを自室の窓から垂らし、駐車場へ引っ張ろうかとも考えたが、安全面などを考えると適さない。結果として、充電ステーションへ立ち寄ることが日課になった。

最近利用している場所の電気代は、1kWh当たり0.44ポンド(約81円)とやや高め。徒歩10分のところにあり、とても不便というわけではない。とはいえ、便利ではないことも事実。英国全体で、バッテリーEVの普及を鈍らせている原因の1つでもある。

バッテリーEVへの乗り換えを後押しする

そんな現状を問題視するのは筆者だけではないようで、解決のための新サービスが始まった。それが、ゴーゼロチャージ(GZC)社が提供する、スマートフォンと連携した集合住宅向けの充電システムだ。

グレートブリテン島南部、サウサンプトンのとあるアパートで試験的に利用が始まったという情報を聞き、早速向かってみた。ちなみに、この町は筆者の故郷でもある。

充電器前の区画に立つ、クルマ止めのロックを解除するウィル・リメル
充電器前の区画に立つ、クルマ止めのロックを解除するウィル・リメル

事前にGZC社のアプリを開き登録を済ませると、充電器のロックを解除するコードが発行される。充電器の利用時間を予約できるようになり、電気料金が1kWh当たり0.34ポンド(約63円)だと表示される。

その後、充電器前の区画に立っている、クルマ止めのロックを解除するコードも発行される。基本的に、充電目的意外でその枠内に駐車されることはないというわけ。先の利用者が、充電を終えてもクルマを停めっぱなしにしている可能性はあるが。

「この方法が賢明に思えたんです。到着して充電できるとわかっていれば、不安は減りますよね」。取材へ応じてくれた、同社の代表、デビッド・ウェルズ氏が説明する。

英国の集合住宅の駐車場には、バッテリーEV用の充電器が設置されている例が極めて少ない。「このシステムが、バッテリーEVへの乗り換えを後押しできると考えます。自宅の駐車場に充電器があるということは、大きな変化です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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