クラウン・クロスオーバー特別仕様車 マットメタル塗装 噂のクラウン専門店で発表

公開 : 2023.12.15 17:45

トヨタはクラウン・クロスオーバーに特別仕様車を発表しました。「ザ・リミテッド・マットメタル」はその名の通りマットメタル塗装が施され、噂の「クラウン専門店」にてお披露目です。新型クラウンの近況も報告します。

トヨタとして異例イベントを開催

トヨタが特別仕様車「クラウンクロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル」を正式発表した。

発表の場所は、THE CROWN(以下、ザ・クラウン)横浜都筑(神奈川県横浜市都筑区)である。

クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル
クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル    トヨタ

特別仕様車とはいえ、新車発表をこうした販売店舗で行なうのは、トヨタに限らず自動車メーカーとしては極めて稀である。

しかも、クラウン・ブランドを統括する、トヨタ本社のチーフエンジニアである清水竜太郎氏とクラウン・チーフデザイナーの宮崎満則氏が参加して、クラウン・ユーザーやこれからクラウン購入を考えているユーザーとのトークイベントや懇親会を実施した。

さらに、マット塗装を担当した材料技術部と、生産する堤工場の塗装成形部の担当者も参加して、マット塗装の詳細について説明するなど、内容が盛りだくさんとなった。

実際、ザ・クラウンでの販売実績はどうなのか? そして、現行でクラウンは4車系だが、今後はさらに車系が拡大することはあり得るのか?
 
さまざまな観点で、ザ・クラウンについては興味深いところである。

マット塗装の工程とは?

まずは、特別仕様車「クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル」の詳細から見ていこう。

外装色としては、マットメタル(1M1)塗装の特徴としては、特殊表面処理のTMコートの採用だ。

クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル
クラウン・クロスオーバーRSアドバンスト・ザ・リミテッド・マットメタル    トヨタ

トヨタによれば、ベースに対して、艶消しクリア、さらにその上でTMコートを塗装している。一般的にマット塗装は日常での手入れが難しいと言われることが多く、そうしたユーザーの声に対するトヨタの新しい発想である。

マット塗装に関する製造工程でのキモは「異物をいかに少なくするか」という点だという。通常の塗装では仮に異物がある場合、磨き工程を加えるが、マット塗装では磨くことで艶が出てしまうので、そうした対応ができない。

そのため、車両に塗装を行なう前に、通常より1時間以上をかけて、二人がかりで丁寧にクルマを綺麗にする工程が必要となる。

塗装の手順としては、電着処理/シーラー/中塗り/上塗り塗装/TMコートとなるが、TMコートには塗装の準備などで時間がかかるなど、通常の塗装と比べて今回のマットメタルには多くの手間がかかる。

なお、トヨタおよびレクサスではこれまで「GRヤリス」/レクサス「GS F」/「RC F」の特別仕様車でマット塗装で量産したことがある。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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