特別企画

2017.03.05

フェラーリによる、フェラーリのための「聖地巡礼」 488スパイダーと166インテルとともに:後編

 

そこから次の目的地であるエガムのディーラーまでは、そう遠くない道のりだ。アールデコ調のタワー・ガレージで知られるそこは、英国最初のフェラーリ販売店というわけではないが、英国での知名度は特徴的な建物もあって抜群だ。

ここにも、忘れてはならないキー・パーソンがいる。ロニー・ホアー大佐だ。

1960年に英国初のフェラーリ販売店を設立した人物であり、彼が率いたマラネロ・コンセッショネアーズは、フェラーリを走らせるプライベート・チームとしてはもっとも成功した例のひとつといえる。

ジョン・サーティースやグラハム・ヒルといった高名なドライバーを擁し、ヒルはグッドウッドでのツーリスト・トロフィーを2度制しているのだ。

また1967年にはピアス・カレッジとリチャード・アトウッドのコンビをル・マンで走らせるが、この人選はイートン校とハロウ校の卒業生を同じマシンに乗せたかったからだという。

ホアー大佐は1967年にエガムへ居を移すが、これはまさしく、跳ね馬のロードカーの黄金期が始まるのと同時期だ。デイトナやディーノが登場し、ビジネスは成長の一途を辿る中、彼は1987年まで経営の舵を取った。

その後、多様なディーラーを展開するサイトナー・グループの一員となって現在に至るが、その親会社はインディカーなどでその名を轟かすペンスキー・オートモーティブであり、レースに根ざした伝統は残されている。

ところで、英国内に限らず、フェラーリのレース・ヒストリーを語るなら、絶対に外せないのがシルバーストンだろう。


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