特別企画

2018.06.15

ベントレー・コンチネンタルGT 400kmの旅で探るスポーティとラグジュアリー

第1回:ベントレー・コンチネンタルGT 400kmの旅で探るスポーティとラグジュアリー
第2回:ベントレー、手仕事の驚異 ファクトリーで目の当たりにした「特別」への探求
第3回:2台の「コンチネンタル」に試乗 大きく異なるキャラ、ベントレーの歴史を語る
第4回:ベントレー、意匠のインスピレーションどこから? デザイナー語る過去と未来
第5回:コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景
   ― シャシー開発部長編
   ― W12エンジン設計部長編
   ― 電気電子機器部長編
第6回:プロトタイプに試乗 ベントレー新型コンチネンタルGT 偽装の下に見えた希望
第7回:ベントレーのビジネス、新CEO就任でどうなる? AUTOCAR独占インタビュー

 
ベントレーはこの新しいグランドツアラーで、最上級のスポーティとコンフォート、ラグジュアリーをどのくらい完璧に融合させたのだろう? スティーブ・クロプリー英国編集長が400kmのドライブで答えを探した。

AUTOCAR JAPAN sponsored by ベントレー・モーターズ・ジャパン

text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)
photo:Luc Lacey(ルーク・レイシー)

もくじ

あらたなフェーズへ
400kmのドライブへ
これ以上があるだろうか
「完璧」を望むならば

あらたなフェーズへ

ベントレーを愛するひとの最大の要求。

それは「スポーティ」と「ラグジュアリー」を高いレベルで、かつ同時に実現することだ。

アストン マーティンはラグジュアリーよりパフォーマンスを重視し、ロールス・ルイスはその逆。しかしベントレーは、女王陛下にリムジンを提供し、また世界中のGT3レースに勝利している。

さらに、この夏にはSUVのベンテイガでアメリカの有名なパイクスピーク・ヒルクライムに出場する。ドライバーは優勝経験豊富なリズ・ミレンだ。

ベントレーのラインナップの中でこのようなレースに最も向いているのがコンチネンタルGTである。ベントレーとしては比較的最近の2003年に発売されたモデルで、以来販売は好調を続けている。大きな変更は15年間で驚くほど少ないにもかかわらずである。いや、驚くほど少ない「から」だろう。

新型コンチネンタルGTのアーキテクチャーは、従来よりもポルシェ・パナメーラに近い感じだ。新型は、今後登場する多くのベントレーと同様、フォルクスワーゲン・グループの極めてフレキシブルな大型車用MSBアーキテクチャーを採用している。ポルシェも同様だ。

ここで重要なのは「超フレキシブル」という言葉だ。MSBは車高、ホイールベース、ホイール・タイヤサイズやサスペンション・ストロークに関して広く対応可能である。それだけでなく、ベントレー特有の要求、つまり、ボディ剛性と主要コンポーネントの取り付けに対するちょっと微妙で特別な要求も最初から考慮されているのだ(前のモデルではなかった要求である)。

特に、新しいW12エンジン、8速デュアルクラッチトランスミッションと新しいリア寄りの四輪駆動システム(依然として世界一複雑で挑戦的なパワートレインだ)をサイズの変わらない2018年モデルのボディに納め、フロント・ホイールを13.5cm前に出すことができたことは、スタイルの面でもハンドリングの面でも大きな進化だ。

デビュー当時のこと。2003年のジュネーブ・モーターショーで「秘密の」お披露目をしたとき、ピュリストはフロント・オーバーハングがちょっとカッコ悪いと言った。柔軟性に欠けるプラットフォームのせいである。

その後のスタイル変更でこのバランスの悪さは改善されたが、ノーズの重さ(フロント荷重は60%で限界ではアンダーステアになった)は新型でも関心事だろう。新型では前後荷重はほぼ50:50となっている。

ここが重要なのだが、エンジンやサスペンションのマウント部分の剛性の最適化による操縦性のリファインなど、新型コンチネンタルGTの重要な改良のほとんどは走らせてみないと評価できない。

差し迫った生産開始を前に、最終開発のためにクルーに多数用意されていたプロトタイプから無理を言って輝くシルバーのコンチネンタルを借りだしたのは、こういう訳である。

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