特別企画

2018.08.15

《シャシー開発部長編》 コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景

第1回:ベントレー・コンチネンタルGT 400kmの旅で探るスポーティとラグジュアリー
第2回:ベントレー、手仕事の驚異 ファクトリーで目の当たりにした「特別」への探求
第3回:2台の「コンチネンタル」に試乗 大きく異なるキャラ、ベントレーの歴史を語る
第4回:ベントレー、意匠のインスピレーションどこから? デザイナー語る過去と未来
第5回:コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景
   ― シャシー開発部長編
   ― W12エンジン設計部長編(8月16日公開)
   ― 電気電子機器部長編(8月17日公開)

 
新型ベントレー・コンチネンタルGTの最大の進歩はシャシー、エンジン、それにエレクトロニクスが挙げられる。まずはシャシー開発を率いた男にAUTOCAR英国編集長スティーブ・クロプリーがインタビューする。

AUTOCAR JAPAN sponsored by ベントレー・モーターズ・ジャパン
text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)
photo:Luc Lacey(ルーク・レイシー)

もくじ

感覚のパラダイムシフト
3代目の開発 最大の違い
新型コンチネンタルGTのためだけに

感覚のパラダイムシフト

ベントレーのダイナミクスへの挑戦は大掛かりだが、とてもシンプルでもある。

新型コンチネンタルGTがクラストップになるのは、本質的に相反するふたつの性能
・鋭いハンドリング
・ラグジュアリーな乗り心地
を、エンジニアがいかに高められるかにかかっている。

ふつうなら、快適性のためにはサスをソフトにし、ハンドリングのためにはサスを固めて、それでおしまいだ。

しかし、新型ベントレーが主張する最高のグランドツーリングを目指すなら、このふたつを同時に達成しなくてはならないのだ。

このジレンマを世界で最もよく理解しているのは、ベントレーのシャシー開発部長、キース・シャープである。

40年前、見習いの学部生としてクルーに来た時からベントレーの文化を学んできた。彼は卒業するとしばらくの間、大手自動車メーカーで経験を積み、その後、2003年の第1世代コンチネンタルGTの発表と時を同じくしてベントレーに戻ってきた。

ほどなくして、彼はベントレー全体のダイナミクスの責任者となり、少数精鋭のチームから始めて今のような90人の部隊を作り上げた。

「われわれのキャッチフレーズは『高級感あふれる高性能』」です」とシャープは説明を始める。

「ある意味、われわれはすでに成し遂げているのです。しかし、メルセデス・ベンツのSクラスクーペのようなクルマが現れると、さらに前進しなければならないことは明白ですね」

「ベントレーの快適性、洗練も悪くありませんが、加えてトルクに溢れた強力なエンジンは高性能の代名詞です。ただ走行性能に関しては確かに改善の余地があります。第1世代、第2世代のコンチネンタルGTはコーナーでアンダーステアが過大だと批判されました。そこでシャシーバランスを再調整してアンダーを打ち消すことが最優先でした」

彼が「走行感覚のパラダイムシフト」と呼ぶ新型GTの劇的な進化は、ベントレー始まって以来初となるポルシェとの共同開発によるものだとシャープは言う。すなわち、きわめてフレキシブルなMSBと呼ばれる大型車用の新型プラットフォームをポルシェと共同開発したのだ。

今後フォルクスワーゲン・グループ内で広く使われることとなるプラットフォームだ。

ベントレーはこのまったく新しいプラットフォームにスチールとアルミの組み合わせを多用し、ボディ側面の外板にはスーパーフォームされたアルミを使用することで、80kgの軽量化を達成した。 

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