特別企画

2018.08.15

《シャシー開発部長編》 コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景

新型コンチネンタルGTのためだけに

以前のGTでは、トルク配分はフロント40%、リア60%で固定だったが、新型の「アクティブ」セットアップでは、フロントへのトルク配分は道路状況やドライバーの意思に応じて3%から38%まで可変となっている。

この結果、ドライバーが望めば後輪駆動のハンドリングバランスとなるが、タフな状況では以前のクルマ同様最高のスタビリティが確保されるとシャープは言う。

新型プラットフォームで可能になったもうひとつの新技術は、使われる気室の数、つまり圧縮される空気の量で空気ばねのレートを変えられる3気室エアサスペンションだ。

コンフォートモードでは3気室すべてが使われ、ベントレーモードでは2気室、スポーツモードでは1気室のみが使われる。

トルクベクタリングシステム(コーナリング開始時に内側後輪にブレーキをかけターンインをアシストし、その後、内側前後輪にブレーキをかけてさらにコーナリングをアシストするとともに、負荷の大きい外側ホイールにトルクを配分する)も新しく開発された技術だ。

しかし、GTの新技術の白眉は何といってもベントレー独自の48V電子式アンチローリングバーだ。前後アンチロールバーのアクチュエーターにスーパーキャパシターを使って電力を供給するこのシステムは、前後のロールを独立に制御することができる。ステアリングレスポンスやグリップも改善され、波打った路面での乗り心地も良くなる。

さらなるコーナリングバランス改善のため、このアンチロールシステムではフロント、リアのアンチロールバーの効き具合を制御することで、コーナー途中でロールフォース配分を変えることもできるとシャープは言う。一方でクルマがまっすぐ走っている時は、ロールバーの効きをすべてキャンセルすることで乗り心地の不快な硬さを取り除くことができるのだ。

おもしろいことに、ベントレーのポリシーは他のシャシーセッティングが変わっても操舵力は変えないことだという。

「操舵力には正解があるとわれわれは確信しています」とシャープ。「それを顧客に提供するのですが、もし気に入らないなら『カスタムセッティング』でお好きなように設定することもできます」

ベントレーはパートナーのピレリとともにタイヤの試験と開発に多くの労力を割いている。その結果、コンチネンタルGT Mk3という特注スペックのタイヤが生まれた。これ以外に勧められるタイヤはないとシャープは言う。

「われわれが開発にかかわったこのタイヤを常に選んでほしいと思います。われわれの努力を考えれば、他の物を選ぶなんてあり得ませんよ。他のタイヤにすると挙動はまったく別物になります。われわれの意図したものとはまったく違ってしまうのです」

 

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