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2018.08.16

《W12エンジン設計部長編》 コンチネンタルGTの「レシピ」 ベントレー主要部門のリーダー語る、開発背景

 
引き続き、新型ベントレー・コンチネンタルGTの開発背景に迫る。今回は心臓部、6.0L W12エンジンの開発を率いた男のもとを訪ねる。「花を添えるとはこのことでしょう」という言葉の真意は?

AUTOCAR JAPAN sponsored by ベントレー・モーターズ・ジャパン
text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)
photo:Luc Lacey(ルーク・レイシー)

もくじ

新生「W型12気筒」
V8の長所をW12にも
「花を添えるとはこのことでしょう」

新生「W型12気筒」

2003年のコンチネンタルGTには最初からこれが搭載されていた。ベントレーの誇る6.0L W12エンジンは恐るべきパワー、とめどないトルク、そして魔法のような安楽さで多大な賞賛を得た。

しかし、ベントレーのエンジン設計室の裏部屋では、完ぺきなものなどこの世に存在しないことを知っているエンジニアたちが、この有名なエンジンをさらに良いものにしようと努力を続けてきた。

その結果、ドライバーの右足ひとつで淀みなく560psを発生したベントレーのW12エンジンは、今では卓越した高性能を持つと同時に、よりクリーンで低燃費となり、さらに洗練されたものとなった。

しかしベントレーのエンジンの専門家は、第3世代コンチネンタルとそのプロポーションのためには、一通りの改良では不十分だと判断した。

この開発を主導したのはW12エンジン設計のマネージャーであるイアン・マルパスだ。

1986年からベントレーに参画したマルパスは、新型コンチネンタルの重要なディメンション変更(基本的にポルシェ・パナメーラと共有する新型プラットフォームによってフロントホイールが前方に移動したこと)でフロントデフの位置変更が必要となることに気付いていた。これにはボトムエンドの大掛かりな変更が必要だ。

一方、日を追うごとに厳しくなる排ガス規制は新しい設計方針を要求した。同じころ、事情を知っている連中(主としてベントレー内部の批評家たちだ)は、コンチネンタルのもうひとつのエンジン、4.0L V8ツインターボのレスポンスの良さを称賛していた。W12より良いと。

マルパスが「完全で徹底的」と呼ぶ開発を行う時がきたのだ。その結果、W12は短中期の規制変更にも対応可能な世界でもっとも進化した12気筒エンジンになったとベントレーは言っている。

W12 TSIと呼ばれるこの新型エンジンは、2016年にSUVのベンテイガに導入されたユニットの改良版だ。新型コンチネンタルではCO2排出量は50g/km減って278g/kmとなっている。このサイズとパワーのエンジンとしては十分低い数値である。

さらに詳しく見ていこう。 

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