ルノー・メガーヌ×4コントロール 「エスプリ開明度」を問う試金石

2018.11.21

FFの弱点を消し去った、エステートとホットハッチ

ではメガーヌ・スポーツ・ツアラーGTとメガーヌR.S.の違いを見ていこう。まず外寸は前者が4635×1815×1450mmとホイールベース2710mmに対し、後者は4410×1875×1435mmで同2670mm。

これはエステートの方がハッチバックより全長が長いだけでなく、R.S.の方がフロントフェンダーをブリスター気味に拡大し、車高もやや低く収めているということだ。

そもそもR.S.には通常のマクファーソンストラットでなく、DASSというハブキャリアを2軸式にしてタイヤ接地面をAアーム並に安定させる工夫を採り入れており、これが通常のハブキャリアよりスペースを食う。

とはいえトレッドが拡がるのはホットハッチの定石。スポーツ・ツアラーGTが前後とも1575mmであるのに対し、R.S.は1620/1600mmとなる。静的状態では前者が直進安定志向、後者がナチュラルにクイック志向であることが看取できる。

試乗日は生憎の雨だったが、これがスポーツ・ツアラーGTのスタビリティの高さを際立たせた。高速道路では矢のように直進するだけでなく、ステアリングの微舵角に対しても狙ったラインにピタリとトレースすることができる。

ノーマルモードでは約60km/h以上で後輪が最大1°の同位相に切れるという4コントロールのおかげで、車線変更はほとんどロールを伴わずに平行移動するような感覚。最初こそ戸惑うかもしれないが、慣れるとむしろ面白くなる。

だが4コントロールの威力は、先の見通せない合流車線のような状況でも発揮される。ようはコーナリング中に車線変更を強いられてもラインの自由度がとにかく高いので、神経質になる必要がないのだ。

加えて走行中の静粛性も高く、不快な風切り音やロードノイズも抑えられている。内装の組みつけ質感といい、長距離を走る際の快適さにとにかく長けている印象だ。

だがスポーツ・ツアラーGTの本領は高速道路だけではない。高速の降り口でミスルートして、ひとつ峠を越える羽目に陥ったのだが、そこで新たな側面を見せてくれたのだ。