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2019.07.04

90歳の「年の差」 2台のベントレーに「初志」を見いだせるか? 実車で検証

 

90年前のベントレーと、現代のベントレー。両車に共通している点はあるのだろうか。現行ミュルザンヌ・スピードに乗り、ワクイミュージアム所蔵の「オールド・マザー・ガン」を見つめに行った。

AUTOCAR JAPAN sponsored by ベントレー・モーターズ・ジャパン
text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Hidenori Hanamura(花村英典)

もくじ

90歳の「年の差」 共通点は
ベントレー・ブランドの初志
旅を、創りだすということ

90歳の「年の差」 共通点は

90年以上の時を隔てた2台のベントレーの邂逅。双方ともに黒い4本のタイヤで地面を踏みしめ、化石燃料を燃やす内燃機関を備えている。

だがBというアルファベットを中央に据えたエンブレム以外に、両者の共通項を探るのは容易ではない。

まるで機関車のように雄々しいオールドモデルは1927年式のベントレー4 1/2リッター。「オールド・マザー・ガン」という名で世界的に知られる1928年のル・マン・ウィナーである。

一方コットン製のサマースーツのような白を纏った涼しげな1台は現行ベントレーの旗艦、ミュルザンヌ・スピードである。

動力性能と快適性の違いはもちろん、ル・マン・レーサーとラグジュアリー・セダンという立ち位置すらも決定的に違う2台だが、双方のシートに腰を下ろしてみると、他の何物にも似ないベントレー・ブランドに共通するオーラのようなものが伝わってくるから不思議だ。

他のメイクスでも同じようなオーラが感じられるのかもしれないが、しかし太古のブランドのほとんどは歩みを止めているし、現在市場を賑わせている一群は、華々しいアプローチの裏で厳しくコスト管理され、ブランドの本質を見失いつつあるように見える。

万年筆やナイフ、眼鏡のような身の回りの品と違い、刻々と変わり続ける世情と折り合いをつけなければ生き残れない自動車が、ブランドの初志に忠実であり続けるのは並大抵のことではないのである。

ではこの2台のどこにベントレー・ブランドの初志を見ることができるのか。

ベントレー・ミュルザンヌ・スピード

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