アウディTTに宿る「バウハウス的要素」とは? その100周年に現地を訪ねた インゴルシュタット篇

2019.12.04

AUTOCAR JAPAN sponsored by アウディ ジャパン
text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)
photo:アウディ ジャパン

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もくじ

TTに魅せられ、伝統を継ぐデザイナー
AWD化、21世紀のスポーツカーの要件
クリアでタイムレスなデザインとは何か

TTに魅せられ、伝統を継ぐデザイナー

デッサウからアウトバーンで数時間、インゴルシュタットのアウディ本社すぐ隣のミュージアムにて、TTの原型となった1995年発表のプロトタイプ「Audi TT Roadster」の前で、われわれを迎えてくれたのは、エクステリア・デザイナーのダニー・グラントだった。

ダニー・グラント

カナダ出身で英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学んだ彼は、ホンダとボンバルディエで経験を積み、初代TTが世に出た直後の2000年に入社した。

「そもそもアウディに移籍した理由は、TT以降のデザイン言語に魅了されたから」と語る彼自身、その後の初代A8やQ7から先代A3やA1スポーツバックなど、アウディ独特のクリーンなラインと無駄のないプロポーション創りに関わってきたひとりだ。

「これまで、初代TTがバウハウス的と評されてきた理由は、本質的な意味でアートとテクニックの共生が感じられたからでしょうね」

「機能を美しくまとめる追求はダ・ヴィンチやミケランジェロといったルネサンスの時代から実践されてきたことで、デザインスクールでも芸術史や美学史でバウハウスについてひと通りは教わります」

「現代的な意味でのデザイナーという職種そのものが、バウハウスの発明でしょうね。われわれも自動車のスタイリストではなく、デザイナーであることをつねに意識しています」