【最高峰の称号「AMR」】アストン マーティンDB11 AMRに試乗 AMRの洗練されたドライバビリティ

2019.12.20

ふつうでは満足しない人のための1台

DB11 AMRというモデルは、レーシングの血統を持ちながら、しかしサーキット向けのチューンが施されたモデルということではない。

これまでのDB11を正常進化させ、本来のツアラーとしての性格を最大限まで引き出したモデルという位置づけなのである。

50年代から80年代頃までのアストン マーティンは、ロンドンにあるビスポーク靴メーカーのような側面を持っていた。

顧客の好みに合わせて誂えの1台を作り上げ、それでもパワーに不満があるカスタマーは愛車を再度工場に入れ、ヴァンテージ・スペックのエンジンを組み込んでもらっていたのだ。

靴のフィッティングを見直し、完成度を高めていくようなアストンの伝統は90年代でもなお健在だった。

ヴィラージュの改造を頼むと、排気量のアップされたエンジンが組み込まれ、パワーに合わせたマッチョなタイヤを収めるべく、職人がハンマーで前後のフェンダーを内側から容赦なく叩いて膨らませたのである。

DB11 AMRのドア内側。緻密なステッチも、AMRを象徴する鮮やかなイエローで飾られる。

ふつうのアストンでは満足しない顧客向けという意味では、DB11 AMRはアストンの伝統的なモデルの最新版といえるのかもしれない。ただその手法が、以前よりもはるかに洗練され、繊細になっているということである。

DB11以前のAMRは限定モデルという位置づけだったが、DB11 AMRはカタログモデルとしてラインナップされている。

このクルマが証明しているように、アストン マーティンのレベルは今なお高まり続けているのだ。

 

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