SEE 〜automobile〜
横浜市の隠れ家的な場所にある
旧い欧州車が得意な自動車整備工場
「’60〜’70年代の欧州車が好き」と公言している自動車整備士が営んでいるファクトリーでは、きょうもマニアックな旧車たち&足グルマが的確にリセットされている。
横浜市都筑区にあるSEE 〜automobile〜は、代表の西城精二さんが独りで切り盛りしている自動車整備工場だ。公式HPのトップページに「auto repair and maintenance service」と記されていることからも分かるように、オイル交換、点検、整備、修理、車検などを引き受けている。
オイル交換や点検といった、ちょっとしたことでも気軽に相談できる点が特徴だが、ユーザーからリクエストがあったり、西城さんが自身で必要だと判断すれば、重整備やチューンなども手がけている。
若い頃から自動車趣味生活を楽しんできたという西城さんは、ITの仕事をしていた25歳のときに知り合いから譲ってもらったフィアット X1/9を自分でイジるようになり、愛車整備生活をスタート。27〜28歳のときに買ったフィアット 850スパイダーが大ハズレで、さらにクルマの整備にのめり込み、その後、35歳ぐらいのときに再び手に入れたX1/9(1974年式のロイヤル・モータース物ディーラー車。ヨーロッパ仕様のバンパーに交換済み)を20年ほど愛用しながら自動車整備士の資格を取り、2020年7月1日にSEEをオープンした。
ちなみに、整備のプロになった後、西城さんはSEEのすぐ近くにある輸入車に強いファクトリーで経験を積み、独立するようなかたちで自らの店舗を開設したが、整備の“師匠”が営む以前の職場からも仕事のオファーが来ている。西城さんは人柄がいいので、そういうことになっているのだ。
取材当日は、プジョー 308のサーモスタット交換がファクトリー内で行われており、ルノー カングーは、これからシフトボタンを修理するとのことだった。水色のフィアット パンダ30は、車検取得(新規登録)に向けての準備作業を行ったそうだ。ランチア モンテカルロは、クルマ仲間が自分でボディレストアしているモノらしい。
カングーの横に置かれたフィアット 600は、SEEにて車検を取り、アウトビアンキ用のフルトラを付けたり、足まわりのリセットも実施。白いX1/9(こちらも1974年式のロイヤル・モータース物ディーラー車。ワンオーナー車で、バンパーを含め、オリジナル状態をキープ)は、これからキャブレターおよびタイミングベルトを交換し、点火系を一新。足まわりのほうでは、ブッシュを交換。レリーズから音が出ているので、クラッチも交換するとのことだった。
西城さんは20年ほど前に手に入れたX1/9(ファクトリー内の黒いクルマ)をいまでも愛用していることもあり、やはり、そっち方面の整備に強いが、軽微なことでも相談できる敷居の低さが持味で、なおかつクルマの生産国や車種を問わず直してくれるので、足グルマなどの整備が必要な際にも気軽に連絡してみるといいだろう。