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エリーゼを再考する。〜 理想と現実のバランス、S2 〜

オーセンティックカーズの小松です。

今回は3台ものローバーKエンジンのシリーズ2エリーゼがショールームに並んでいるので、リアリティのあるライトウエイトスポーツとしてのローバーKエリーゼS2について再考したいと思います。

以前の記事でも書かせていただきましたが、ロータスのライトウエイトとしての理想を諸々の問題点に目を瞑ってもカタチにしたものがS1のエリーゼでした。バネ下重量の軽減でハンドリングを追求した結果、ハブキャリアに加えブレーキローターまでもアルミで製作、ロータスデザインの純正ホイールは軽さを追求するあまり強度不足が露呈するほど。幌周りの雨仕舞いも悪く雨漏りも日常茶飯事です。しかしその結果、理想的な新世代のライトウエイトスポーツとして市場から絶賛されるにいたったのですが、一方ロードカーとしての利便性の低さが指摘されました。

対してS2エリーゼは市場からの要求に応えて耐候性を高め、エアコンの搭載も可能となりました。フレームも乗降性を高めるためにサイド部分がえぐられ、S1ではアルミ地が剥き出しだった内装もトリム面積が増え、断熱性も高められました。これにより快適性が大幅に向上。オールシーズンで乗れるクルマになったのです。

それだけを書くと、なにか軟弱な方向性で退化したように見えてしまいますが、足回りはアーム長を延ばしてサスペンションジオメトリを変更、細かいセッティングが可能になりました。アルミ製だったハブキャリアはスチールの鍛造品に変更され、ハブベアリングも大径化、大幅に強度が上がり、よりインチアップされたハイグリップタイヤにも対応できる仕様に進化しました。

これらの改良によってわずかに重量の増加はあったのですが、ローバーKシリーズはエンジン自体の重量が軽かったため、トヨタエンジンを積む現行シリーズに比べると圧倒的に軽量で、オリジナル・エリーゼの利点を色濃く残しているといえます。しかも2005年までのモデルはS1エキシージや340R、スポーツ190といった特殊モデルで採用されていたクロスミッションをVVCを除くスタンダードエンジンと組み合わせていたのです。すなわちわずか800kgの車重にトルクフルなローバーKエンジン+クロスミッションを低くセンター寄りに搭載。これらの効果によって他にない軽快な走りを実現しているのです。

しかもロータスはローバーから供給されたエンジンのパフォーマンスを充分なものと考え、一切のモデファイを加えないストック状態でエリーゼに搭載したので、結果としてエンジン周りのトラブルが少ないという長所となりました。要は現在のクルマに近い信頼性と快適性を持ちながら、現在のクルマには望むことのできない軽量でシンプルな構造で高い走りのパフォーマンスを持つのがローバーエンジンのS2エリーゼ。もちろん、クルマとしての洗練という面では現行モデルに分があるのですが、スポーツカーにとっては「軽さは正義」ということもまた真なのです。

そして、現在の市場には現実的な価格で選ぶことのできるローバーS2がまだ多くあります。エコの旗印のもと、旧車への風当たりが強くなりつつある以上、10年、
15年後には手に入れることができるのかというと疑問であるとしかいえません。そういう意味では今こそがベストなタイミングであると思うのですね。

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