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あなたのエスプリ、ブレーキは正常ですか?

こんにちは、オーセンティックカーズです。
1976年から2004年まで販売されたロータス・エスプリの中でも、91年以降のターボ・SEから97年のGT3に至る直4インジェクション・ターボ・エンジンを搭載したモデルは特徴的なブレーキシステムを備えています。GMと密接な関係にあったロータスが採用したブレーキとABSシステムは、インジェクション同様にデルコ社製のハイドロリック・ブレーキ。

当時のGM車や一部の欧州車でも使用されたこのシステムは、同時期のボッシュ製システムが従来のエンジン負圧を利用した倍力装置とブレーキキャリパーを結ぶ配管にABSユニットを割り込ませるという形を取っていたのに対し、アキュームレーター(蓄圧器)とオイルポンプによってブレーキオイルを加圧して倍力効果を発生し、ブースター、ブレーキバランサー・マスター、ABSが一体のユニットとなったモジュラー・マスターユニットをECMによりコントロールするという、コンパクトなシステムでした。

このブレーキはもともとが重量のあるアメ車用だけあって、そのポテンシャルは非常に高く、標準モデルの片押しキャリパーから4potのレーシングキャリパーまでを同一のユニットでコントロールできるというキャパシティの大きさを持ち、踏力だけで自在にブレーキをコントロールできる素晴らしいブレーキフィーリングをも実現していました。この辺りがロータスの技術陣がハイドロリック・ブレーキを選択した理由なのではないでしょうか。

しかし、そんな優れたブレーキシステムでありながら、同システムを備えたエスプリで現在でも完全なパフォーマンスを維持している個体は非常に稀であるといえます。それは要となるブレーキプレッシャーが機能不全・加圧不足となっていることが非常に多いからです。そして残念なことにシステム性能を維持させる為の幾つかの部品がロータスはもちろん製造元のデルコでも数年前に供給終了となっています。

ボッシュ式のABSブレーキシステムでABSに異常が発生した場合は、単にABSが機能しないだけで通常のブレーキとして動作しますが、エスプリに装備されているABSブレーキシステムで、ブレーキプレッシャーを維持させる部品の故障で加圧不足になった場合、ABSだけではなくブレーキの倍力機能自体が失われ、まるでレースカーのように重いブレーキになってしまいます。安全に停止させるには高度なテクニックが必要となり、この状態で公道を走行するのは非常に危険であるといえます。

ユーザーとしてこうした事態を回避するにはブレーキの警告灯に気をつけるということがあります。症状の初期ではまずオレンジ色のABS警告灯が点滅します。これはキーOFFによってリセットされることもありますが、また点滅する場合もあります。さらに状態が悪くなるとABS警告灯が点滅ではなく点灯になります。この時点でABSは作動しなくなっていることが多く注意すべき段階に入っています。そしてサイドブレーキランプ兼用の赤いブレーキ警告灯が点灯するようになったら、すでにブレーキシステムが正常に機能しない危険な状態であるといえます。しかし中古車の中にはオレンジのABS警告灯が機能していない個体も有り、赤いブレーキ警告灯をサイドの下ろし忘れと誤認してしまうこともあります。ブレーキの警告灯が点くようになればもはや、早急に積載車にて整備工場に入場すべきですが、すでに重要な部品が欠品となっているため修理は困難です。

もちろん、今まで国内外の様々なところで一体化されたユニットを複数の部品で機能を代行させようとしたり、いっそのこと従来の真空倍力式のブレーキシステムにゴッソリと入れ替えたりと、様々な方法が試みられましたが、いずれも信頼性が確保できない、バランスの調整が困難、費用が掛かりすぎるなどと結果は芳しくありませんでした。

私たちオーセンティックカーズはブレーキシステムが故障したままのエスプリが増えていくという状況を以前より懸念していました。そこで現在では入手不能となった部品を、他の製品に置き換えることにより改善する方法を考案、実現しました。何年間にもわたる開発期間を経て完成したシステムは純正ユニットの動きを完全に再現し、ABSコンピュータにエラーを発生させることもありません。また、純正ではASSY交換を余儀なくされていましたが、今後のトラブル究明や部品交換の切り分けができるようになりました。ただし、取付けに関してはこの独特なブレーキシステムとそれぞれの部品の仕組みへの理解が必要となりますので、弊社までご相談ください。

これで今後も安全に走り続けることのできるエスプリが一台でも多くなり、その本来のブレーキパフォーマンスにより、エスプリの持つ走行性能のバランスを存分楽しめることができると考えております。
更に、ブレーキパーツのアップグレードを行っている車両、ご検討中のオーナーもお気軽にお問い合わせください。

オーセンティックカーズ

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